浜松学芸中学校・高等学校
ときわホール

2024.08.08
学校講堂・多目的ホール

施設説明

専門的な音楽教育を行う中高に、音楽専用ホールが誕生

浜松学芸中学校・高等学校は、1902年に開校を果たした静岡県の伝統私立校です。1965年には音楽を専門的に学ぶ県下初の音楽科を新設し、約半世紀に渡って専門的な音楽教育を施してきました。
2024年4月に完成した南館の4階にあるときわホールは、国内で初めて森林管理協議会(FSC)の国際認証を受けた音楽専用ホールです。他の学校では珍しい「音楽専用」にこだわり、未来の音楽家たちを育成する美しい音響を生み出しました。ステージや内壁には、FSC認証材である天竜産ヒノキやスギがふんだんに使われています。中でもホール正面の反射板には、利用しづらい形状や寸法の木材をあえて採用し、一見はみ出したように見える木材も味になるよう組み合わせて創り上げました。生徒たちがやがて羽ばたく社会においても多種多様な人種や性格の人々が存在することをイメージした、特徴的な意匠です。

鮮やかなグリーンの客席は固定式イスとスタッキングチェアで構成

ホールを彩るのは、「ときわホール」の名前にふさわしい、学校のスクールカラーをイメージしたグリーンの客席です。生徒たちの若いエネルギーを体現するかのようなフレッシュな色が、木と白を基調にした空間の中に青々と映えます。244席のうち100席を占める劇場・ホールイス「Cadenza カデンツァ」TS-71シリーズと、残り144席のスタッキングチェア「Axis アクシス」FC-310シリーズの、どちらも同じ張地で張り包むことによって、異なるデザインの座席の印象がひとつにまとまりました。
「Cadenza カデンツァ」TS-71シリーズは、コトブキシーティングのラインナップの中でも劇場・ホールで定番のイスです。着席者の背中に沿う三次元カーブを描いた背もたれのクッションと、高密度のモールドウレタンと波形スプリングを内蔵した座が、長時間の鑑賞でも疲れにくく快適で豊かな座り心地を提供します。
授業でノートを取る時に便利な、収納式肘メモ台も備えました。必要な時のみ引き出して使える利便性と、使用時に地震などの災害が起きた場合に軽い力で持ち上げるだけで元の位置に収納される安全性を両立。普段は肘掛の下にあるため、見た目もすっきりとしています。色は、イスの木部のブラウンカラーよりも明るいトーンの、ナチュラルなクリア塗装仕上げです。
スタッキングチェア「Axis アクシス」FC-310シリーズは、可動席をつくることによって多様な授業展開への対応を目指し、導入が決まりました。スリムな印象に反したボリュームある座り心地の秘密は、ウレタンフォームと樹脂繊維コアでつくり上げた二重構造の座にあります。適度な反発力のあるクッションは、固定式の座席にも劣らない快適さを生み出します。脚先にはギャンギング専用のパーツが付いており、連結しての整列もスムーズ。最大12脚積載が可能な台車もあり、収納時も省スペースです。

施設概要

120年を超える歴史を持つ浜松学芸中学校・高等学校の南館は、2024年4月に竣工しました。旧音楽棟校舎の老朽化に伴う更新や、新たに設立された探究創造科地域創造コース・探究創造科科学創造コースに対応する環境整備を背景に、12の普通教室のほか音響設備の整ったレッスン室、練習室、音楽専用のときわホールなどが設けられています。ホールは森林管理協議会(FSC)の国際認証「FSCプロジェクト認証」を取得。県産材の温もりに囲まれたホールでは、未来の音楽家たちが、授業を受けたりコンサートやイベントを行ったりしています。

居室データ

所在地
430-0905 静岡県浜松市中央区下池川町34-3 地図
オープン
2024年4月
席数
244
施主
学校法人 信愛学園
設計・監理
株式会社ニキ計画工房
関連リンク
浜松学芸中学校・高等学校 WEBサイト