永守重信市民会館
ホール

2024.06.05
多目的ホール(可動席)

施設説明

約7年の月日を経て誕生した、京都府向日市の新たな市民会館

1972年に建設された旧向日市民会館は、耐震強度不足により2016年から閉館を余儀なくされていました。2023年2月、市役所の隣に新しくオープンしたのが、永守重信市民会館です。演劇やコンサートが楽しめるホールをはじめ、大きさの異なる会議室、調理室などを備えており、市民の文化・芸術の振興と生涯学習環境等の充実を図る場として活用されています。

開催イベントや演出の幅を広げる移動観覧席を採用

多目的な活用を目指したホールは、475席のうち1階の418席が可動席です。最前列の18席はキャスター付き移動席、残り400席は移動観覧席で、全ての席を収納するとフラットな空間を創り上げることができます。展示会や子供向けのイベント、レセプションなどが開催できるほか、非常時には避難所として使用することも想定されています。
移動観覧席は、リモートスイッチ一つで簡単に操作ができるフルオートタイプです。収納スイッチを押すと、400席のイスが自動で折りたたまれ、段が重なっていき、ホール後方の壁面に収納されます。展開スイッチを押すと、壁面から本体が階段状に展開し始め、短時間で客席を創り上げます。移動観覧席本体には、客席を左右中央の3ブロックに分ける縦通路が2本あり、後方は2階席まで繋げました。移動観覧席の収納時に誤って下に降りないよう、2階席との境には鍵付きの扉も設けています。
最前列の移動席は、脚部に備えたキャスターのロックを外し、手動で動かすことができます。3席ずつ連結されており、イベントに応じて客席数を調整することも可能です。下手側には車イススペースも3席設けました。

ラグジュアリーなタイプLを竹色の張地でデザイン

イスのデザインは、移動観覧席・移動席・2階固定席をタイプLで統一しました。天然木で仕上げた背面と張り包みのボリュームある座のクッションが、装いも座り心地も豊かな客席を創り上げています。着席者の身体に沿う三次元曲面の背もたれと、安定感のある座り心地を生み出すウレタンの詰まった座は、長時間の鑑賞でも快適に過ごすことができます。手触りを重視し、肘当にも天然木を採用しました。イスの張地は、向日市特産の竹を思わせる瑞々しいグリーン。木部は内装に合わせてナチュラルカラーで仕上げ、明るさと活気を感じさせます。
2階席の後方には、子供連れや障がいのある方などが周囲に気兼ねなく客席を利用できるよう、ガラス越しに舞台が鑑賞できるマルチルームが設けられました。タイプLの固定席のほか、スタッキングチェアTS-1212も2席備わっています。

施設概要

2023年2月、京都府向日市に市民待望の新たな市民会館が誕生しました。向日市出身で日本電産株式会社(現ニデック株式会社)の創業者である永守重信会長(現グローバルグループ代表)が向日市に寄附されたもので、永守重信市民会館と永守氏の名を冠しています。地上3階地下1階の施設外観は向日市特産の竹をイメージしてデザインされ、475席の多目的ホールの客席のイスにもグリーンカラーが採用されるなど、随所に向日市らしさを感じられる施設です。会議室、調理室、ギャラリーなどを備え、非常時には避難所として活用できるようバリアフリー構造も採用されました。

居室データ

所在地
617-8665 京都府向日市寺戸町中野20 地図
オープン
2023年2月
席数
475
(車イススペース、マルチルーム含む)
管理者
向日市
設計
株式会社都市居住文化研究所
関連リンク
永守重信市民会館 WEBサイト