蒲田に新しい区民活動施設が誕生
新蒲田一丁目複合施設「カムカム新蒲田」は、2022年5月に誕生した大型複合施設です。地下2階から地上4階には、地域のサークル活動や集会などに活用できる区民活動施設のほか、保育園、子育てひろば、中高生ひろば、地域包括支援センター、シニアステーションが併設されています。
建物の半分以上を占める区民活動施設は、大小二つの多目的室と集会室、美術室、調理講習室、音楽スタジオを備えており、最大450人を収容できる多目的室(大)は地下2階にあります。建設計画時から、発表会や講演会、軽スポーツ、コミュニティイベントなど区民のさまざまな活動に加えて、行政の利用も多く想定されていました。そのために導入したのが、電動式移動観覧席とスタッキングチェアです。
居室の多用途活用を実現する電動式移動観覧席
多目的室(大)の
電動式移動観覧席は、展開・収納が可能な階段状の客席です。普段はコンパクトにたたまれて部屋の壁際後方に置かれており、利用時にリモートスイッチを繋げてボタンを押すと、段床が展開し、イスが起立します。216席の客席が出現するのにかかる時間は、約3分半。少ない人手であっという間に本格的なホールをつくり上げることができます。
最後列の後方にはフロアとつながる階段を設け、前からでも後ろからでも自席にアクセスができるよう利便性を高めました。
移動観覧席に搭載したイスは、コンパクトな収納とラグジュアリーさを両立した
タイプLです。背もたれと肘当てに用いた天然木が、多目的室内をホールらしいムードへと一気に高めます。背もたれには着席時の姿勢に心地よく沿う三次元カーブを設定し、厚みのある座には適度な硬さのあるウレタンを用い、長時間の着席でも快適さのつづく座り心地を実現しました。
コンパクトなスタッキングチェアで最大450人収容の客席づくり
電動式移動観覧席とステージの間には、イベントに必要な席数に応じてスタッキングチェアを並べます。最大収容人数450人を実現するために選ばれたのが、木製の
スタッキングチェア「TAG(タグ)」です。背座一体の成形合板に座パッドを設置した上台とコンパクトな奥行きが特徴で、避難時に必要な通路寸法を確保しながら多くのイスを並べることができます。小ぶりながらも快適性を実現するため、座パッドは腰回りまで伸ばして肌当たりを柔らかくしました。木部と張地を移動観覧席と揃えることで、客席全体の一体感を創り出しています。
研修会など座学の催しの際には、移動式のテーブルとスタッキングチェアを並べます。平土間、移動観覧席を使用したホールモード、テーブルを並べた研修会モードと、さまざまな使い勝手で区民の活動の幅を広げる多目的室です。
施設概要
新蒲田一丁目複合施設「カムカム新蒲田」は、老朽化のため解体された旧大田区民センターの跡地に、大田区公共施設等総合管理計画に基づき、近隣施設を含めた施設の有効活用と複合化の視点から建設されました。併設された区民活動施設、保育園、子育てひろば、中高生ひろば、地域包括支援センター、シニアステーションが、地域活動や生涯学習など様々な活動を通じてヒトとヒト・地域をつなぎ、幅広い世代の交流・にぎわいの創出に貢献しています。