セミナー会場から避難所まで多目的に稼働するコミュニティホール
「がましん」の愛称で知られる蒲郡信用金庫は、愛知県蒲郡市に、2015年竣工の本店を構えています。三河湾に面した海岸沿いにあるこの建物は、「安全・安心」「環境配慮」「地域貢献」をコンセプトに地元の金融機関の中枢として建築され、南海トラフの巨大地震や大津波、台風などの大きな自然災害発生時でも財産や生活が守られるよう高い免震システムが備えられました。
防災への意識は、1階にある地域に開かれた講堂にも現れています。セミナーや講演会が行えるよう設けられた階段状の客席は、リモートスイッチ一つで壁面に収納が可能な
移動観覧席 ロールバックチェアースタンド(RCS)。講堂でありながら、災害時には広いフラットなスペースとして避難所になる多目的スペースです。通常時も、展示会やセミナーを開催したりと、様々な用途に活用されています。
快適性とデザイン性を兼ね備えた移動観覧席搭載イス
119席の移動観覧席は、フルオートタイプの壁面収納式です。収納時にはホール後方の壁面にすっきりと納まるため、展開・収納の状態を問わず、空間の美しさを保つことができます。
イスは、移動観覧席搭載イスの中でも評価の高い、ボリュームある座り心地とラグジュアリーな装いが特徴の
タイプLです。着席者の身体に沿う三次元曲面の背もたれと、ウレタンの詰まった厚みのある座のクッションは、長時間でも快適に座り続けられるよう身体を支えます。キルティングがたっぷりと使われた張り包みの背と座で、高級感ある装いを演出。ランダムに貼り分けられたロイヤルブルー、スマルトブルー、シルバーグレーの3色の張地は、自然豊かな蒲郡の海をも思わせます。背裏の全面には天然木を配し、後ろ姿の佇まいにも品格を与えました。
セミナーに使用する筆記台として採用されたのは、回転式の肘メモ台です。イスの肘支柱に取り付けられた肘メモ台を、筆記を行う際など必要な時のみ回転させて引き出し、使用します。スムーズに出せることはもちろん、軽い力で跳ね上がり静かに収納されるため、イベント時でも静穏を保つことができます。メモ台の利用時に非常事態が起きた場合でも、一定の位置まで上がると自動的にメモ台が収納されるアンチパニック機構により、素早い緊急避難が可能です。
施設概要
蒲郡信用金庫の本店は、三河湾に程近い立地を踏まえ、南海トラフ巨大地震による強い揺れと津波などに備えた災害に強い施設として、2015年に竣工しました。1階にある講堂は、災害時に一時避難所になることを想定し、客席の展開収納が可能な動観覧席を導入しています。