オホーツク圏の医療を担う病院ならではの多目的ホール
北見赤十字病院は、北海道北東部のオホーツク圏において、様々な高度機能を担うとても重要な医療機関です。現在は、隣接する北海道立北見病院の指定管理も請け負い、二つの病院で連携をとりながら地域医療の充実を図っています。
創立80周年を機に行われたリニューアルでは北館が増築され、多目的ホール「ミント」がオープンしました。計画当初から、医療関係者向けの資格講座や地域の人を招き入れた市民公開講座、病院スタッフのクラブ活動など、多彩な催しで利用されることが想定されていたため、ホールには必要に応じてすばやく客席をつくり出せる
電動式移動観覧席が導入されました。
電動式移動観覧席で、手間と時間をかけない会場設営を実現
電動式移動観覧席はリモコン操作で階段状の客席をつくりだせる製品で、普段はホール後方にある奥行き2300mmほどの収納庫にコンパクトに収まっています。
客席を利用する時には、リモートスイッチをコネクターに差し込みます。ボタンを押すとまずひな壇が出現し、次に各段の床の上に畳まれたイスが起立。10分もかからずに、154席の階段状の客席が完成します。収納時に干渉する後段の手摺も自動で折り畳まれるため、力仕事がほとんどありません。少人数で容易にすばやく設営できます。
イスは、安定した座り心地と収納時のコンパクトさを両立した、タイプ5(現行品の
タイプ5R)が選ばれました。広い背もたれと座面が、着座時の身体をしっかりとサポートし、快適さを生み出しています。人が座っていない時も背もたれと起立した座の間に空間があるため、座を下ろしやすく着座しやすい設計です。
資料を見たりメモを取ったりする講座での利用が多いことを想定し、イスにはメモ台が設けられました。A4サイズの資料が載る大きさのメモ台は、使用時のみ引き出して使える収納式のため、使用しない時も邪魔になりません。
赤十字カラーの赤いイス張地が、ホールを華やかに彩ります。
納入から約9年。ブラック・ジャックセミナーや専門医資格の講習など、病院ならではの多様な催しで移動観覧席が活躍しています。
施設概要
北見赤十字病院は、1935年に日本赤十字社北海道支部野付牛療院として開設しました。オホーツク圏で唯一救急救命センターをもった、地域の中核病院です。施設の老朽化に伴い、2016年に中心市街地活性化の一環として北見市役所庁舎跡地に新病棟を建設しました。隣接する、オホーツク圏内で唯一の心臓血管外科を持つ北海道立北見病院との連携により、救急・急性期医療の更なる充実を図っています。
インタビュー
体育館とホールの多目的な活用で
医療従事者の心身の健康と専門性向上に寄与