初の大規模改修工事を果たした高校相撲の聖地
1961年の完成以来、全国から集まった高校生力士たちが数々の熱戦を繰り広げてきた、石川県卯辰山相撲場。近年では施設の老朽化が顕著だったことから、観客席のリニューアルを中心とした初の大規模改修工事が行われ、2023年4月、リニューアルを果たしました。
すり鉢状の観客席を飾る、青を基調とした長ベンチ
土俵を囲むすり鉢状の観客席は、むき出しだったコンクリート製の席から、ブロー成形のスタジアムベンチ
BLM-3600シリーズに変わりました。
BLMシリーズは、高密度ポリエチレンに空気を吹き込み膨らませるブロー成形という手法でイスを創り上げた、コトブキシーティングのラインナップの中でもロングセラーの製品です。ブロー成形時に生まれるダブルシェルと呼ばれる中空構造による、柔らかな座り心地が特長で、コンクリート製だった従来の席から大きく快適さを向上させました。気温によって熱くなったり冷たくなったりすることを防ぎ、一年を通して快適に座ることが可能です。野球のボール等が当たっても割れにくい、高い耐久性も兼ね備えています。退色や劣化の原因となる紫外線にも強く、屋外施設の観客席に最適です。
イスのタイプは、リニューアル前の観客席の印象を踏襲した長ベンチです。1席1席が独立した座席にはない大きな長所は、座る間隔を調整したり荷物を置いたりと、観客人数に合わせて柔軟に座席を使えること。一人分間口を一般的な400~450ミリメートルとした場合は約7,000人が着席可能で、隣席との繋がりによって観客席全体の一体感を生み出します。前後の座席間隔は従来より広く設定し、ゆったりと観戦できる環境を創り上げました。最後列には車イス席も新設されています。
座席の色は、土俵に近い内側の席がライトブルー、外側の席がブルーです。卯辰山公園内の緑に映える明るく爽やかな観客席として、リニューアルを強く印象づけています。
施設概要
石川県卯辰山相撲場は、高校のスポーツ大会として国内最古の歴史を持つ高校相撲金沢大会など数々の大会が開催され、高校相撲の聖地として名高い施設です。2023年4月に初の大規模改修工事を終えリニューアルを果たしました。耐久性と快適性を兼ね備えたBLMシートを導入したほか、車イス席の新設、役員席の更新、選手控えスペースの舗装などを行いました。