柳川市民文化会館「水都やながわ」
白秋ホール

2024.04.18
劇場・コンサートホール
写真提供:柳川市民文化会館
写真提供:柳川市民文化会館
写真提供:柳川市民文化会館
写真提供:柳川市民文化会館
写真提供:柳川市民文化会館
写真提供:柳川市民文化会館

施設説明

水郷柳川の掘割に面して建つ柳川市民文化会館

福岡県の水郷柳川に、2020年12月、柳川市民文化会館「水都やながわ」が開館しました。建築のコンセプトは、「水上に浮かぶ柳川の舞台」。旧市民会館の老朽化を受けて建設され、市の新たな文化交流拠点として、803席のメインホールのほか、200席のイベントホール、レッスンルームやスタジオなどを備えています。

イベントの自由度が高まる可変機能を備えたホール

メインホールは、柳川市で生まれた詩人北原白秋にちなんで「白秋ホール」と名づけられました。2層からなる客席のうち、1層目に並ぶ559席は可変式です。
前から5列分は迫り機構で、イスは床から取り外せる移動席タイプ。6列目以降のイスは床固定席ですが、エアー浮上式のワゴンの上に設置されており、段床になった床ごと座席を移動することができます。
ワゴンはいくつかのブロックに分かれているため、それぞれ向きや位置を変えるなどの自由な客席演出が可能です。迫りを下げイスを床下に収納すると前舞台形式に、さらに6列目以降のイスもワゴンごと舞台裏に収納すると、平土間形式になります。フロア中央に舞台を設置し、それを囲むようにイスを設営すると、センターステージ形式やアリーナ形式にも変化。さらに、客席後方の壁を開放しホールとロビーや屋外をひとつづきにしたり、ステージの音響反射板を収納したり、客席以外の可変機能を組み合わせることによって、従来のホールのレイアウトにとらわれない多機能ホールを創り上げることができるのです。

柳川市の職員が座り比べて選んだホールイス

1層目・2層目ともに、客席のイスとして選ばれたのが、TS-71シリーズです。人間工学に基づき設計した三次元カーブの背もたれと、波型スプリングを内蔵した底付き感のない座による、快適な座り心地が特徴です。柳川市の職員がコトブキシーティングのショールームを訪れ、様々な劇場ホールイスを座り比べて選定しました。
規格品の仕様は張り包みの座でしたが、木がふんだんに使われた重厚感ある内装に合わせて、座裏を天然木にカスタマイズしました。また、通路側の席の脚パネルも規格品より長く設定することで、イス全体の木の面積を大きく設定。色はルーバー状の壁面に合わせて、落ち着いたダークトンに仕上げています。2層目の通路側の席の背もたれには同色の手掛け棒を備え、階段昇降時の手がかりとしました。
張地は、コトブキシーティングのグループ会社であるFABRIKOがデザインしたオリジナルの特注張地です。設計者と共に、打合せを重ねて、柳川の掘割のイメージを表現しました。 川の流れのように色が変化して見えるよう、凹凸のある張地を用いました。木の色ともよく馴染む紺色は、落ち着いた深いお掘を彷彿とさせます。
1層目の中央2列と中央ブロック最後列には、操作卓の置き場などに活用できるよう背倒れ席を設けました。また中央ブロックには、見やすさを重視し、前の席と半席ずらして設置した千鳥配置を採用しています。

施設概要

旧市民会館の老朽化のため、柳川市民文化会館「水都やながわ」が新たに建設され、2020年12月にオープンしました。施設北側にある川下りで有名な水郷柳川の掘割が、伸びやかな水平庇とガラス張りの外観と相まって、建築コンセプトである「水上に浮かぶ柳川の舞台」を演出しています。館内の白秋ホールとイベントホールのそれぞれのホール後方壁はスライディングウォールになっており、開放すると施設の主要動線である共有ロビーや、光と風の入る中庭とひとつづきに利用することも可能です。

居室データ

所在地
832-0058 福岡県柳川市上宮永町43-1 地図
オープン
2020年12⽉
席数
803
施主
柳川市
設計
株式会社日本設計
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
柳川市民文化会館「水都やながわ」WEBサイト
テキスタイルデザイン:柳川市民文化会館「水都やながわ」 | 株式会社FABRIKO WEBサイト