宮若市役所
議場

2023.06.07
議場

施設説明

宮若市に持続可能な新庁舎が誕生

2020年5月、福岡県宮若市の新庁舎が開庁しました。老朽化した旧庁舎に代わるまちづくりの新たな拠点として、分散していた機能を集約。自家発電設備も兼ね備え、災害時は防災拠点になる持続可能な新庁舎を目指しています。
施設最上階の議場には、災害時などに空間を防災拠点として有効活用できるよう、床に固定しない置き式の議場家具が選ばれました。コトブキシーティングは、議長席・議員席のほか、傍聴席や記者席など全ての机イスを手掛けました。レイアウトは、旧庁舎の議場を踏襲した議長席と議員席・傍聴席が向かい合う対面式。議会の基本となるスタイルです。

議会の品格を感じさせる議場家具

議長席・議員席のイスは、AC-3700シリーズです。真っすぐな輪郭が印象的なイスですが、肘掛だけが唯一緩やかなアーチを描きます。腕を乗せた際に心地が良いこの形状は、無垢材を削り出して製作しました。
議員席は背もたれのウレタンクッションが三個の山に分かれたローバックタイプ、議長席は四個の山に分かれた210ミリメートル背もたれの高いハイバックタイプです。いずれも各パーツが着席者の背中にしっかりとフィット。長時間に及ぶ議会でも、疲れづらい座り心地を提供します。
議長席は、議場全体を見渡せるよう数段高い壇上にあり、脚部は床に固定されています。特徴的な装備は、着席時にイスが自動的に机のある前方へ動くスライドフォー機構と、離席時に自動的に正面を向くオートリターン機構です。キャスター付の議員席のように自由に座席を動かすことはできない議長席ですが、これらの機構の組み合わせにより、机との距離を適切に縮めることができ、空席時も整然とした正しい向きを維持します。
全ての座席は背と座を黒のレザーで張り包み、議会にふさわしい落ち着きを演出しました。
天然木の突板で仕上げた机は、重厚感のある濃い茶色に塗装。黒のイスとの組み合わせで、格調高い議場空間を創り上げました。アールを描いた角と幕板に入ったラインが、デザインにアクセントを添えています。

市民の誰もが利用しやすいユニバーサルデザインな傍聴席

傍聴席に並ぶTSB-71シリーズの木部には、議場の内装にも使われた市有林の桧を用い、市民が親しみを持って座れる席を目指しました。張地は、議場の床カーペットの深みのある青色に揃え、議場エリアと違う区画ながらも統一感を持たせています。
市民の誰もが気軽に利用できるよう、車イススペースのほか、難聴者に対応できる手話通訳者用の席も確保。手話通訳者席は、利用がない時にはコンパクトに折りたためるため、通行や視界を妨げません。また、傍聴席には磁気ループも備えています。
傍聴席の最前列には、肘メモ台を備えた記者席を設置しました。

施設概要

福岡県宮若市の新庁舎は、2020年5月、築60年を経過した旧庁舎に代わる市のまちづくり拠点として開庁しました。鉄筋コンクリート5階建ての耐震構造で、災害時は防災拠点の役割を果たせるよう、大型モニターのある災害対策室や非常用発電機を備えています。内装には市有林の桧を効果的に活用し、明るくシンプルなデザインで、市民が親しみを持てる憩いの場としての期待が寄せられています。

居室データ

所在地
823-0011 福岡県宮若市宮田29-1 地図
施主
宮若市
設計
株式会社綜企画設計
オープン
2020年5月
席数
83
※傍聴席・記者席・手話通訳者席を含む