近畿大学 東大阪キャンパス
11月ホール 大ホール

2023.06.01
講堂・多目的ホール
Before
Before

施設説明

11月5日の創立記念日に由来する「11月ホール」がリニューアルオープン

近畿大学の11月ホールは、新築から約40年を経た2022年4月、リニューアルオープンを迎えました。来たる創立100周年を見据えた、耐震補強工事を含む大規模な改修です。
1~3階にある吹き抜けの大ホールでは、これまで式典や講演会などの学内行事の他、セミナーやライブコンサートなど多様なイベントが開催されて来ましたが、近年は座席の経年劣化や古い仕様による座り心地などが課題となっていました。そこで今回の改修では、全席を現代人の体格に合わせたイスに総入れ替え。より快適に過ごせる客席へと生まれ変わっています。

スムーズな動線の客席づくりを叶えた三つのポイント

客席には、1,244席のTS-19シリーズが並びます。デザインのアクセントは、肘当ての下の切り欠き。着席者がここに膝を潜らせれば、横通路を通りたい人とのスムーズなスペースの譲り合いが可能になる、ユニバーサルデザインです。
座の形状には、着席時に膝裏に当たる部分を薄く細くした「スペーシア」が採用されました。
スペーシアは、座席から立ち上がる時に必要とされる足を引くための空間を、従来の座の形よりも広く取れる設計です。この空間の余裕によって、離席時に肘当てに手を着く必要がなくなります。切り欠いた脚部デザインと相まって、通り抜けのしやすさにも一役買っている、バリアフリー仕様です。
このTS-19シリーズとスペーシアの組み合わせが生み出す「通り抜け動線の良さ」を最大限に生かすべく選ばれたのは、収納式のメモ台でした。リニューアル前のイスに備わっていたのは、収納式の背テーブル。しかしこのテーブルを引き出すと横通路スペースに重なるため、筆記中には人を通すことができませんでした。一方メモ台であれば、テーブルよりも筆記スペースが小さくなりますが、着席者の膝の上に展開されるため、横通路の通り抜けが常時可能です。大学関係者がコトブキシーティングのショールームで製品を比較し、検討を重ねた結果、動線を重視したメモ台に軍配が上がりました。

快適な座り心地を生み出す設計と装い

長時間の着席を心地良く過ごすためのキーポイントは、仕様や寸法の進化にあります。平らだった背もたれは、人体の座り形状に合わせた三次元カーブの立体的な形状に。座には改良を重ねた最新の波型スプリングが挿入され、体圧を均等に分散。また、座面高は現代人の体格に合わせてリニューアル前のイスよりも25mm高く、一人分間口は520mmと一般的な劇場イスよりもやや広く設定しました。時代に合わせた各所の更新が、豊かでゆとりある座り心地を提供しています。
イスの張地は、壁や天井の近似色だった暖色から、スクールカラーをモチーフにした青に変わりました。ステージから客席正面を見た時に斜めのラインが浮き上がるよう、濃淡の異なる3色の青色を張り分けています。近畿大学が世界で初めて完全養殖に成功した「近大マグロ」も想起させる、波立つ海のような美しい配色で、リニューアルを強く印象付けます。

施設概要

近畿大学の東大阪キャンパスでは、2014年から2020年にかけて実施したキャンパス整備プロジェクト「超近大プロジェクト」に続き、11月ホールを改修しました。コンセプトは、多様なイベントへの対応・利便性の向上・環境への配慮です。大ホールと小ホールに最新の音響・調光設備を導入し、また大ホールの座席の一新、空調設備の更新や照明のLED化などを実施しました。

居室データ

所在地
577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1 地図
オープン
2022年4月
席数
1,244
施主
学校法人近畿大学
設計
株式会社インデックスコンサルティング
プロジェクトマネージャー
株式会社インデックスコンサルティング
関連リンク
近畿大学 WEBサイト