海城中学高等学校 Science Center
合同31

2022.12.02
教室

施設説明

海城生の知的好奇心を刺激する新校舎

2021年7月、海城中学高等学校の新校舎「Science Center(サイエンスセンター)」が竣工しました。理科科目に力を入れている海城中学高等学校にとって、待望の新校舎です。
旧理科館にはなかった地学専用の教室が設けられるなど、新校舎では従来よりも専門的な学びができるよう、多くの実験設備が整えられました。
また、省エネルギーに特化した校舎の仕組みが分かる表示や、建設時のボーリング工事で採取した土砂をポール状にした地層の展示など、校舎全体が教材となっており、生徒の好奇心を刺激するつくりになっています。
メインとなる実験室のほかに、生徒が先生の実験を見て学ぶ授業や、勉強の成果を発表するプレゼンテーションの場、また外部講師を招いた特別講座などを行う場として、教室「合同31」が設けられました。

シンプルで使い勝手の良い階段教室

合同31は、200インチの大型スクリーンを備えた60席の階段教室です。通常の授業以外でも使いやすくするため、1クラスの人数よりも多い席数を確保しました。
教室は、どの席からも教壇が見やすいように工夫がなされています。各席は、教卓を囲むような多角形の配置に。更に、前後の席の段差を500mmと高めに設定したことで、どの席に座っても前の人の頭が邪魔にならずに自然と教壇を正面に捉えることができます。教師がよく見えることで、授業への没入感を高めてくれるのです。

各段に設置した家具には、固定式の机と移動式のイスが採用されました。どちらも木を基調としており、使い勝手を重視したシンプルなデザインです。
机の天板は教卓に合わせたブラック、イスの座パッドは床カーペットに合わせたブルーとなっており、内装とも調和しています。
固定式の机の天板奥行きは、400mmに設定しました。A4サイズの教科書が飛び出さないよう計算された寸法で、資料が多い時にも快適に使うことができます。
座った時の足回りを隠す机の前幕板は、床の近くまであるロングタイプです。各段の段差が高いことにより、前列の人の背中と後ろに座る人の足元が接近しますが、ロングタイプの幕板で仕切ることで接触を避け、安全を確保しています。
幕板の上部は天板面よりも高く設計することで、資料や筆記用具などが転がるのを防ぎました。
教室の利便性を高めるため、天板の下にはコンセントの差し込み口を設置しました。

机と合わせて選ばれたイスは、成形合板を使用した座パッド付きスタッキングチェアFC-7545Dです。
固定式の机の場合はイスも固定式タイプになることが多いですが、今回は自由度の高いスタッキングチェアが採用されました。移動しやすいイスにすることで、机に近づいて座ったり、遠ざけたりと、心地良い場所を自分で選ぶことができます。
また、イスの数を減らして一人分のスペースを広く確保したり、片づけて車イスで利用をしたりと、空間活用の幅が広がることもポイントです。

理科科目以外の場面でも使われることの多い合同31。ますます多様になっていく学修スタイルに、欠かすことのできない教室になることが期待されています。

施設概要

海城中学高等学校は、1891年に創立した中高一貫教育校です。6年間を通し、「新しい人間力」と「新しい学力」をバランスよく兼ね備えた「有為な人材」の育成に力を入れています。新しい人間力とは、対話的なコミュニケーション能力とコラボレーション能力を兼ね備えた力。新しい学力とは、自ら課題を設定し、情報を収集・分析して価値を評価し、何らかの解を導き出す力です。新しい学力の一環として取り入れているのが、実験・観察・野外観察を多く取り入れた生徒参加型の理科の授業・講習です。
2022年7月に竣工した新校舎「Science Center」は、その中心となる施設です。生徒たちの知的好奇心を刺激する実験や観察の場が多数あり、特に中学一年生では年間約半数もの授業が実施されています。

インタビュー


本物に触れることで「気づく・考える・伝える」
力を培う探究の場を提供

居室データ

所在地
169-0072 東京都新宿区大久保3-6-1 地図
施主
学校法人海城学園
竣工
2021年7月
席数
60
関連リンク
海城中学高等学校 WEBサイト