東京音楽大学 中目黒・代官山キャンパス
TCMホール

2020.06.16
学校講堂・多目的ホール

施設説明

新キャンパスを象徴する、木を基調とした上質な「TCMホール」

2019年4月、東京音楽大学に中目黒・代官山キャンパスが誕生しました。

都心ながらも閑静な住宅や緑に囲まれたキャンパスを象徴するのは、422名を収容できる音楽ホール「TCMホール」です。六角形のホールは、木を基調にデザインされた上質で落ち着きのある空間。編み込んだような凹凸が施された壁面は、ステージ上で奏でられた音が美しく響き渡る機能を兼ね備えた意匠です。

ホール空間に馴染むシンプルなデザインで、座り心地を追及

ホールの客席として求められたのは、空間に馴染むイスでした。

ステージで奏でられる音楽を、ゆったりとリラックスして楽しむための客席。主張しすぎないシンプルスッキリとしたデザインのなかに、座り心地を高めるいくつかの工夫が詰まっています。

背もたれの木部の形状は三次元曲面、縦と横にカーブがついています。着席時の背骨のS字カーブと、僅かに背中を抱きかかえるような緩やかなカーブです。身体への当たりを和らげるウレタンフォームのクッションが、身体へのフィット感を一層高めています。

さらにこの背もたれのカーブは、後ろに座る人の足元空間を広く確保することができます。座には、体圧を分散することで長時間の着座でも快適性を追求した波形スプリングと、離席時にはゆっくりと静かに起立する、緩起立機構も搭載しています。

通路側の脚部は木部で化粧を施し、重厚感を高めました。1列置きに配置した客席誘導灯はパネルに内蔵することで、スッキリとした印象を保っています。

一人分の間口寸法は520ミリメートル。隣席の人に肩が当たる心配などをせずに、ゆったりと座ることができます。

上質さを高めるイスのカラーリング

イスのカラーリングも、特徴的な内装に馴染むよう配慮しています。

木部は、壁面よりも少し濃い目のダークブラウンにしました。ホール後方から見たときには、ダークブラウンの木部が暗闇に溶け込み、ステージを一層引き立てます。

張地は、グレーの平織布地です。木部に比べて明度の高いグレーの色は、上質なホール空間の一助になっています。

プロも愛用するオーケストラチェア

ホールでの演奏者用として、オーケストラチェアも新たに導入しました。オーケストラチェアは、通常のスタッキングチェアとは異なる演奏家のためのイスです。適度な重量があるため演奏中に身体を動かしても安定します。また、座面にくぼみがなく水平のため、好みの位置に腰かけることができます。多くのプロの演奏者も愛用するこのオーケストラチェアで、未来の演奏家である学生たちが学びにいそしみます。

施設概要:音楽を通して社会に貢献する、東京音楽大学

東洋音楽学校として1907年に鈴木米次郎により設立され、110年以上の歴史を持つ東京音楽大学。池袋にキャンパスを構え、「音楽をとおして社会に貢献する」を理念に、数多くの音楽家及び音楽教育者を育成してきました。2019年、学生の感性を刺激し、豊かな音楽の創造につながることを目指し、新たに「中目黒・代官山キャンパス」がオープンしました。

居室データ

所在地
153-8622 東京都目黒区上目黒1-9-1 地図
施主
学校法人東京音楽大学
設計
日建設計・戸田建設
オープン
2019年4月
席数
422
※ほかオーケストラチェア120脚
関連リンク
  • 東京音楽大学 webサイト