1964年の創立以来、数多くの卒業生を輩出してきた新宿調理師専門学校。約500名の生徒、未来のシェフを目指して学びに励んでいます。 校舎の場所は、西新宿でひときわ目立つ「LOVE」のオブジェの隣。近年は、充実した環境で調理師に必要な知識・技能を身に着けられるよう、校舎内のリニューアルが進んでいます。2019年5月には、学びの環境を整えるために日本料理デモンストレーションルームが新たに生まれ変わりました。
従来は授業の機能性だけの内装でしたが、リニューアルに合わせて「日本料理デモンストレーションルーム」の名に相応しい、和をテーマにしたインテリアを採用。天井やフローリングにはふんだんに木を利用し、障子や和紙風の素材など日本らしさを随所にちりばめました。 背面の壁には和包丁の絵を、黒板にはデザインをあしらった引き戸カバーをつけ、和食の味わいがより深くなるような工夫を凝らしています。常に学生の目に留まるようにと、調理台の幕板には学校のスローガンである「手から手へ」の文字を載せました。 料理や授業内容に合わせて、照明の明るさや色も変更できます。
従来の教室の家具は、机とイスの脚部が一体となったタイプでした。最大9席が一続きに並んでいたこともあり、席への出入りが困難であることが課題として挙がっていました。 この課題を解決するために選ばれたのが、コトブキシーティングの新製品です。教壇を囲むように階段状に席をレイアウトする「レクチャーシアター」向けに開発されたこのイスは、調理台よりも段差を高く席を設けた日本料理デモンストレーションルームにぴったりでした。 席への出入りのしづらさを解決したのは、背もたれの下から伸びる、すっきりとした1本脚の設計です。何席分もが連結された机の設置も廃止したので、通路スペースを遮るものがなくなり、足回りがすっきりしました。机の代わりを果たすのは、各席に設置した丈夫な収納式のメモ台。A4のノートを広げてもゆとりがあり、根本は肘掛と一体になっているため安定感も抜群です。 着席のしづらさを解決したのは、手で座を下ろさなくても座れる、スイングアップ機構です。着席時に臀部を座面に合わせてスライドするだけで、両手がふさがっていてもスムーズに座ることができます。さらに、座の収納時には、座を背もたれ側に押し込むことができるため、席と席の前後の通路幅がわずかながら広げることに役立ち、通り抜けがしやすくなりました。 従来のイスはクッション性が乏しかったため、座り心地の快適度も向上しました。大きな背と座の両方に、ウレタンを張り包んだクッションを採用。張地には、試食時に食べ物をこぼしてしまっても染みができにくいよう、ビニールレザーを用いており、肌当たりも滑らかです。後ろ姿には、くの字型の天然木の背板が印象的に映り、空間に木のぬくもりと品格を演出します。 窓側の障子は一部をくり抜いており、そこからは騒がしい都会を忘れさせる緑の景色が顔をのぞかせます。居心地良く快適な空間で味わう料理は、より美味しく感じられることでしょう。
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