昭和女子大学
人見記念講堂

2022.10.12
講堂・多目的ホール
ロイヤルシート
同時通訳ブース
リニューアル前
リニューアル前
ロイヤルシート
同時通訳ブース
リニューアル前
リニューアル前

施設説明

大規模リニューアルを果たした人見記念講堂

昭和女子大学を代表するホール「人見記念講堂」が、1980年に竣工して以来の大規模改修工事を終え、2022年3月、リニューアルオープンしました。建築から42年が経過し老朽化の進んでいた講堂をより快適な空間にするため、オーデトリアム天井の耐震化、時代のニーズに沿った舞台関連設備の見直し、バリアフリー化、照明のLED化をはじめとした環境への配慮などへの対応が行われました。
1980年の竣工時に客席づくりを担当したコトブキシーティングは、今回のリニューアルでも新たなイスを提案・製作しました。改修にあたり大切にしたことは、これまで人見記念講堂が築き上げてきた歴史とイメージを継承しながら、リニューアルにふさわしいアップデートを施すことです。

豊かな座り心地とスムーズな動線を実現する背と座

導入した製品は、TS-197281です。これまで平らだった背もたれのクッションの形は、人体の座り形状に合わせた三次元カーブに。座のクッションの構造は、体圧が均等に分散され長時間でも快適に座ることができる、耐久性に優れた最新の波形スプリングを搭載した最新型になりました。
座面高を現代人の体格に合わせて5センチ高くしたことも、座り心地の向上に役立っています。座の形状は、バリアフリー仕様の「スペーシア」です。着席時に膝裏に当たる部分を細く薄くすることにより、立ち座りをスムーズにすることができるこの形は、学校関係者から好評を博して導入に至りました。座ったまま座席の下へ足を引けば、座席前の通路を行く他の観客を通すことができるため、脚部にある欠き込みのデザインと相まって、総席数2,100席と大規模な空間でもスムーズな客席移動に貢献できます。

頑丈さと清潔さを兼ね備えた、高級感ある客席づくり

稼働率の高い講堂で長くイスを使い続けるために提案した堅牢なアルミダイキャスト脚は、背と座をしっかりと支えます。改修前のイスとは異なり、アンカーボルトが露出しないすっきりとした設計のため、劣化がしづらいだけでなく、埃などの汚れが溜まりにくく見た目をクリーンに保つことができます。
リニューアル前の張地は、スクールカラーのブルー1色でしたが、今回はスクールカラーを基調とした4色のブルーを用いました。客席前方から後方にかけて濃淡のグラデーションをつけて、空間に奥行を演出。これまでのイメージを受け継ぎながら、装い新たな印象を与える客席づくりを行いました。他にも、背裏や座裏に木を多く使うことにより、空間全体の高級感も高めています。

張地を統一して一体感を演出する空間

中2階の後方左右には、特別室「ロイヤルシート」があります。過去には当時の天皇皇后両陛下も使用したことがある、特別な部屋です。座席のリニューアルにあたっては、複数の製品を学校関係者が座り比べて選定を行いました。ホールの客席に利用した張地を用い、空間に一体感を演出。
3か国語に対応できる同時通訳ブースに導入したスタッキングチェアFC-316にも、同じ色味の張地を使用しています。

施設概要

人見記念講堂は、昭和女子大学の創立者・人見圓吉氏をしのんで、創立60周年となる1980年に建設されました。学生のうちから専門家の講話を聴き、国内外における最高級の文化・芸術に触れることによる教養教育の向上に貢献するだけでなく、音楽・舞踊・演劇・講演・式典と、年間150回以上ものステージが開催されます。入学式や卒業式、創立記念式典のほか、文化講座等の授業教室としても活用され、2022年3月のリニューアル以降も昭和女子大学に欠かせない空間として期待が寄せられています。

居室データ

所在地
154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57 地図
施主
学校法人 昭和女子大学
設計
株式会社一級建築士古橋建築事務所
オープン
2022年3月
席数
2,100
関連リンク
昭和女子大学 人見記念講堂 Webサイト