新潟市秋葉区文化会館
ホール

2017.07.24
劇場・コンサートホール
親子席
親子席

施設説明

新津丘陵に習った「文化の里山」

緑豊かな丘陵に囲まれた、新潟市秋葉区。下越地方と中越地方にかけて伸びる新津丘陵は、かつて縄文人が歩いたとも言われており、現代は区民の生活に寄り添うように、なだらかな遊歩道が整備されています。

2013年9月、秋葉区の新たな地域文化の創造と地域交流と活性化を目指して、新潟市秋葉区文化会館がオープンしました。新津丘陵を回る遊歩道を思わせる建築は、新居千秋氏の設計です。コンセプトは、地域の文化を育む「文化の里山」。オープンの翌年にはグッドデザイン賞を、2016年には第29回村野藤吾賞を受賞しました。

施設内は、ホールを中心にして円を描くように、楽屋廊下、練習室、楽屋兼会議室、ロビーが順に取巻いた構成です。各諸室は楽屋廊下とロビーの双方からアクセスができるため、イベントに応じて様々な空間の使い方を計画できます。

里山の洞窟をイメージした美しい内装

496席のホールは、洞窟を思わせる内装が特徴的です。壁面・天井ともにコンクリート打ち放しで、細密な平行線を刻む「小叩き仕上げ」がきめ細かな表情を見せています。

音響は、微妙な壁の角度と反射によって綿密に計算・設計されており、ホールの隅々まで美しく鳴り響きます。その微細な調整を担っているのは、開口部にはめ込まれたアルミの吸音板。時折、照明の光を反射しては、まるで木漏れ日が差し込んでいるかのような光を見せます。

あざやかに煌めく紅葉のような客席

イスは、秋葉区文化会館のための、オリジナルデザインです。丸い背もたれの形は、小さな丘が立ち並んでいるかのような客席空間を生み出します。座面と背もたれの裏側には、イスの張地と同系色に塗装した天然木を配しました。

見る角度と光の当たりによってキラキラと輝く張地は、多色づかいのジャガード織。テキスタイルを専門とするデザイナーが、設計者から提示された紅葉のイメージ写真をもとに、「里山」をテーマに掲げて生み出しました。2種類の張地は、それぞれ赤色と橙色をベースとし、僅かに緑色も織り込んでいます。紅葉した木々に陽が差し、ステンドグラスのように木の葉が煌めいているかのような、幻想的な客席を演出しています。

居室データ

所在地
956-0033 新潟県新潟市秋葉区新栄町4-23 地図
施主
新潟市
設計
株式会社新居千秋都市建築設計
オープン
2013年9月
席数
496
※内、車椅子席6席、親子席10席
関連リンク
新潟市秋葉区文化会館 WEBサイト
テキスタイルデザイン:新潟市秋葉区文化会館 | 株式会社FABRIKO WEBサイト

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