須賀川市文化センター
大ホール

2022.06.02
劇場・コンサートホール

施設説明

リニューアルオープンした須賀川市文化センター

2021年9月、須賀川市文化センターがリニューアルオープンしました。リニューアルにおいて市が最も大切にしたのは、来場者が安心安全に利用できること。大ホールの客席は内装と共に一新し、バリアフリーを追求しました。また、須賀川市らしさを表現した牡丹のデザインを張地に施し、市民が愛着を持ち親しめることも目指しています。オープン翌年の1月には成人式が行われ、須賀川市の未来を担う若者たちを和やかに祝いました。

安心安全の客席づくりを実現するコトブキシーティングの劇場イス

「誰もが利用しやすい、快適で安心安全な客席であって欲しい」須賀川市の願いを受け、コトブキシーティングは、これまでの劇場・ホールづくりで培って来た多くの技術を注ぎ込みました。
イスは、人間工学に基づいた背と座の角度と、着座姿勢に合わせたクッションのTS-19シリーズ。1席あたりの間口をリニューアル前の48センチから、客席位置によって最大6センチまで広く設定した、ゆとりある座り心地が特徴です。
座には、着席者の膝裏にあたる先端部分を薄くした「スペーシア」を導入しました。この形状は、通常の座の形状に比べ足元にゆとりが生まれるため、着席したまま脚を引きやすく、立ち座りをスムーズに行うことができます。また、座ったまま座席の下へ足を引けば、立ち上がることなく、座席前の通路を行く他の観客を通すことも可能です。
さらに、通路側の全席の背もたれには、手掛け棒を設置しました。手掛け棒は、階段の上り下り時の手がかりとなるよう、高層階に導入されるケースが多くを占めます。今回階段のない1階席通路にも取り付けた背景には、通行時の足元の安全を守りたいという、須賀川市の強い思いがありました。全228箇所の手掛け棒は、リニューアルオープン以来、ホールの安心安全に大きく貢献。高齢者の転倒を予防することはもちろん、子供や大人にも自然に利用されています。
客席の扉から近いアクセスの良い席には、車イス利用者が安全に座席へ移乗できるよう、通路側の肘を跳ね上げられるユニバーサルデザイン仕様のイスも導入しました。

牡丹の花のデザインが、客席に須賀川市らしさとリニューアルを印象づける

市民に親しまれ愛されるホールとなることを願って、イスの張地には市の花である牡丹のデザインを施しました。
デザインの担当は、全国の劇場・ホールのイスの張地を掛けた株式会社FABRIKOのテキスタイルデザイナーです。リニューアルを印象づける明るく華やかなイメージも大切にしつつ、親しみやすく温かみのある空間にしたいという要望を受け、落ち着いたピンク色の柔らかな質感をベースに、淡いピンクの経糸で大柄の牡丹を描きました。濃淡のあるピンク色の中に牡丹の花が見え隠れする、控えめながらも美しい、須賀川市ならではのデザインを実現しました。
この牡丹のパターンは、ロビーの客席図・トイレ・楽屋などの室内サインや外部サインにもあしらわれ、施設全体がトータルコーディネートされています。

施設概要

須賀川市文化センターは、1981年に開館した多目的ホールです。福島県のほぼ中央に位置するアクセスの良さから、市内だけでなく県内外からも多くの来場者を集め、コンサートや歌舞伎公演、学校行事など幅広いイベントが行われて来ました。耐震改修、特定天井耐震化に伴うリニューアル計画のため2019年から休館し、2021年9月にリニューアルオープン。大・小ホール改修のほか、 エントランス風除室改修、トイレを多機能化するなどに加え、インテリアデザインとサインについては、一体的に計画し、ユニバーサルデザイン・バリアフリーを取り入れ生まれ変わりました。

居室データ

所在地
962-0054 福島県須賀川市牛袋町11 地図
リニューアル
2021年9月
席数
1,070
(大ホール)
施主
須賀川市
設計
株式会社 石本建築事務所
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
施設案内 文化センター | 須賀川市公式ホームページ
テキスタイルデザイン:須賀川市文化センター | 株式会社FABRIKO WEBサイト