早稲田大学高等学院 73号館
講堂

2014.05.26
学校講堂・多目的ホール

施設説明

2014年3月10日、早稲田大学高等学院 講堂棟の竣工式が行われました。

現在、早稲田大学において、積極的に教育内容の改革と新たな取り組みを始めています。その中のひとつが、早稲田大学高等学院II期整備計画で建設された、この講堂棟。1508席の講堂部分と、2つの音楽室、音楽系諸室で構成されています。

建築の設計は早稲田大学OBが中心となり、伝統と未来、この学院の有るべき姿を思い描きながら設計を行ってきたに違いありません。校舎が建て替わっても、人が入れ替わっても、「心のふるさと」として引き継がれてきた、「早稲田の原風景」ともいえる記憶と感覚。長い歴史の中積み重ねられてきた風景が、新たな形で継承・再構築されたのです。

講堂の内部は、ほとんど全面コンクリート仕上げ。音響などのシミュレーション結果をもとに、傾斜面とし、面ごとに異なる施しをしています。講堂全体が、質実剛健の校風に相応しい、モノトーン調です。イスの張地も2色で張り分けていますが、感覚的にランダムな配色にされたわけではありません。できる限り恣意的な要素を排除し、理論的に色決めが行われました。

天井や壁と呼応するようなデザインです。イスは、スリムなデザインが特徴的な、LECTORIUM(レクトリアム)シリーズ。快適な座り心地はそのままに、従来の劇場イスより、収容人数を増やすことを可能にした製品です。背裏と座裏には、天然木を採用。美しい木目が高級感を演出するだけでなく、堅牢性やメンテナンスのしやすさを兼ね備えています。前方の移動席は、背を倒してステージ下に収納することも可能です。

早稲田大学高等学院講堂 外竣工式から、早くも3ヶ月。正門から続く長いケヤキ並木の葉が青々と繁り、気持ちの良い季節がやって来ました。

あれ見よかしこの 常磐の森 心のふるさと われらが母校集り散じて 人は変れど 仰ぐは同じき 理想の光」
(早稲田大学校歌より抜粋)

早稲田の歴史は、これからも変わらぬ「心のふるさと」を抱きながら、継承されていくことでしょう。

居室データ

所在地
177-0044 東京都練馬区上石神井3-31-1 地図
施主
学校法人早稲田大学
設計
日建設計
竣工
2014年3月
席数
1,508
関連リンク
  • 早稲田大学高等学院 webサイト
  • 一覧へ