音楽コンサートのためのアリーナとしてオープンした「ぴあアリーナMM」
2020年7月、音楽コンサートのためのアリーナとして「ぴあアリーナMM」がオープンしました。
モノトーンで統一された建物内は、シックな大人の雰囲気。この洗練されたデザインとカラーは、演目を引き立てるための仕掛けでもあります。4層から成る客席も、イス上台から脚部まですべて黒系のカラーで統一され、会場が暗転すると客席側全体が暗闇に溶け込み、ステージを一層引き立たせます。
機能性と座り心地を両立したメインの客席
1階の客席は可動式です。
短時間でステージや機材の出し入れをするため、一度にたくさんのイスを動かすことのできるキャスター付きタイプが採用されました。同様のタイプは近隣のアリーナでも導入されています。2〜6席を連結したユニットの脚部ベースにキャスターが付いており、可動時は容易に動かすことができます。
横長形状の脚部ベースには、両端にアジャスター、その内側にはキャスターを備えています。
キャスターは、脚部ベース上部のレバーと連動しています。レバーが上がった状態の設置時は、端のアジャスターが床をしっかりと捉えます。レバーが下がった移動時は、キャスターが出現し、スムーズな移動が可能になります。
すべての席のレバーを下げてキャスターを効かせ、スタックしながら端に寄せることで、素早く機材の通り道や平土間を作り出すことができるのが、この機構の特長です。
イスは、背と座のパーツが分かれたツーピースタイプです。
離席時は座が上がり、奥行きがコンパクトになるため、立ち上がった時のスペースを広く確保できます。スタンディングでの鑑賞が多いライブやコンサートではとても有効です。背にはウレタンフォームを張り包んだパッドを、座には容易に交換できるカバーをしつらえ、座り心地と機能性を高めました。席間の肘掛けにはカップホルダーを設置し、飲食しながらライブを楽しむことができます。
2〜4階の客席は1階席と同じイスを床に据え付けた固定式です。
肘掛けを無くし、通路のスペースを広く確保しました。カップホルダーは前席の背に設置しています。
アリーナに新たな価値を創造するスイートエリア
4階の一角には、特別なお客様やアーティスト関係者が利用するスイートエリアを設けました。
専用の入口から進み、扉を開くと、会場が見える大きな窓を設けた上質なスイートルームが広がります。窓の外に設置されたバルコニー席には、たっぷりのウレタンフォームを使用したクッション性の高いイス。身体全体を包み込むような大きさで、リラックスしてライブを堪能できます。
エリア内には専用のラウンジもあり、多彩な使い方が期待できます。民間アリーナ事業に新たな価値を生み出していく空間です。
施設概要
2020年の夏に横浜みなとみらい地区で開業したぴあアリーナMMは、「チケットぴあ」で知られる「ぴあ株式会社」が運営する音楽アリーナです。
2階から4階までの客席を縦に積み重ねるように配置したのは、約1万席の大規模アリーナでありながら、どの席からでもアーティストを近くに感じて欲しいというぴあ株式会社のこだわり。施設内にはコンセプトの異なる三つのレストランやインスタレーションアートを体験できるエリアも併設し、特別な1日を堪能できる仕掛けが詰まっています。