イベントに即したレイアウトを実現全体移動式の移動観覧席で実現する、客席の設営・収納・移動

2018.08.25
事例特集

イベントに応じて客席を収納したり設営したりできる移動観覧席(ロールバックチェアースタンド)は、ホールやアリーナの多目的活用のための設備として、各地で導入が進められています。移動観覧席の中には、階段状の客席を展開・収納できるだけでなく、客席をそのまま丸ごと移動できるタイプもあることをご存知でしょうか? イベントに応じて客席のレイアウトを大きく変化させられるよう、全体移動式の移動観覧席を導入した施設を、スポーツ・文化・学校の三つのジャンルでご紹介します。

01試合や競技に合わせて客席レイアウトを変えられるアリーナ

高崎アリーナ
メインアリーナ

高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ
高崎アリーナ メインアリーナ

高崎アリーナは、群馬県高崎市の新しいランドマークとして、2017年4月にオープンしました。バスケットボールやバレーボールのプロリーグや国際試合、体操、大相撲、ボクシング、マーチングバンド、チアリーディングの試合会場としてのみならず、学校や企業の運動会など、多様な競技やイベントの使用を想定して建設された施設です。

アリーナは、バスケットボールコート4面を並べることのできる広さがあり、各種競技の国際大会の規格にも適応した19メートルの天井高を確保しています。様々なスポーツに対応できる充分な広さのある空間ですが、楽しく快適に観戦するためには、競技種目や試合に即した客席も必要です。そこで導入されたのが、全体移動式の移動観覧席でした。

全部で1,022席となる移動観覧席は、1ブロックあたりが70席または91席で構成されています。各ブロックを任意のポジションに設置できるため、向かい合わせたりコートを囲んだり、開催するスポーツに合わせた自由度の高い客席を生み出せます。1ブロックは約4トン。かなりの重量がありますが、空気圧で持ち上げるエアークッションシステムにより、スムーズに移動することが可能。移動後、操作レバーを使って、階段状の客席を展開させます。

競技ごとに適した観客席を創造できる高崎アリーナでは、これからも多種のスポーツが催されていきます。

 

02ホワイエや小ホールへの移動も可能な移動観覧席を採用した多目的ホール

■ビッグルーフ滝沢
大ホール

■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール
■ビッグルーフ滝沢 大ホール

2014年1月、日本一人口の多い村として知られていた岩手県滝沢村が、滝沢市に生まれ変わりました。市の中心である市庁舎の隣には、「みんなでつくるふれあいの大屋根」となる滝沢市交流拠点複合施設「ビッグルーフ滝沢」が誕生しました。

大ホールでは、ミュージカル公演やのど自慢大会、ダンスパーティー、トークイベント、マルシェなど、市民参加型の多種多様な催しが開かれています。その幅広いイベントの開催を可能にしているのが、移動や収納ができる客席のイスと、「せり」の機構です。

フラットなフロアの後方に移動観覧席を、その前方にスタッキングチェアを並べると、462席が収容できる劇場に。スタッキングチェアを片付け「せり」をフロアより高く上げ、最後に幕を下ろすろと、移動観覧席で構成された一回りコンパクトなホールをつくりあげることもできます。

空気圧で浮かせることによって任意の位置に移動ができる移動観覧席は、大ホールの中での移動はもちろん、ホワイエや小ホールに動かすことも可能。より小さな空間でイベントを楽しみたい時に最適です。また、ホワイエ・小ホール・大ホールはそれぞれスラインディングウォールで仕切られているため、全席を収納して一続きの広い空間として使用することもできます。

多様なスタイルのイベントが、ホール内に留まらず広く開催できる仕組みを備えている、滝沢市の交流拠点複合施設です。

 

03普段は収納して、必要時に任意の位置へ設置できる客席で、学生活動の幅を広げる

法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート
オレンジホール

法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール
法政大学 市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート オレンジホール

2016年8月、モダニズム建築の傑作とうたわれた55・58年館の建替工事に伴い、法政大学の市ヶ谷キャンパスに新校舎が竣工しました。「富士見ゲート」と名づけられた新校舎は、地上6階・地下2階建。市ヶ谷キャンパス最大規模のカフェテリア、売店、オレンジホール(多目的ホール)など、授業以外でも活用できる施設が充実していることが特徴です。

地下2階に設けられた「オレンジホール」は、法政大学のスクールカラーにちなんで名づけられました。日差しの届かない地下層階のホールですが、明るいオレンジ色のように、学生たちが明るく活き活きとした活動を展開・学べる場であるようにとの願いが込められています。

客席として設けられたのは、ベンチタイプの移動観覧席。通常はスライディングウォールで仕切られた倉庫に収納されており、イベントや催し物に合わせてホール内へ出し、任意のポジションに設置をします。キャスターがあるため、押して移動することができます。移動観覧席を置く場所を決めた後、操作レバーを使って客席を手動で展開。イスの展開は1名で操作できるため、誰でも容易に客席づくりが可能です。

サークルや部活動の練習のほか、さまざまな発表の場として、今後も活用が見込まれています。

 

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

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