コトブキシーティング株式会社

ホール・劇場・学校・スタジアム・映画館など、公共施設のイスやカプセルベットの製造・販売

水戸芸術館を満喫!前編
館内見学ツアーからランチタイムまで

探訪レポート / 2017.2.27

タワーそびえ立つ水戸芸術館へ

2月上旬、茨城県水戸市へ足を運びました。この季節には、「偕楽園」の美しい梅の花が有名な地域です。
今回訪れたのは、偕楽園から徒歩20分程離れた場所に位置する水戸芸術館。設計を手掛けたのは、国際的にも著名な建築家の磯崎新氏です。平成元年に迎えた市制100周年記念事業のひとつとして建設がスタートし、翌年3月にオープン、今年で開館27年を迎えます。
施設のシンボルタワーの高さは、市制100周年に合わせて、100メートル。施設名の英語表記である「Art Tower Mito」は、このタワーにちなんでいます。
エントランスホールを挟んで西側には「ACM劇場」と「コンサートホールATM」、北側には「現代美術ギャラリー」。全国に複合文化施設は数多くありますが、水戸芸術館のように劇場・コンサートホール・美術ギャラリーと、三つの専用空間を持ち、なおかつ年間を通して施設による自主企画だけで全ての公演を展開することは、実は全国的にも珍しい事例です。
今回の取材では、そんな水戸芸術館の魅力を存分にお伝えします!

水戸芸術館の館内見学ツアーはATMフェイスにおまかせ!

まずは水戸芸術館のことをくまなく知るため、館内見学ツアーに参加させていただきました。約1時間のツアー案内人は、水戸芸術館(Art Tower Mito)の館内を知り尽くした「ATMフェイス」さん。一般の方でも申し込めるこのツアーは、なんとワンコインで楽しむことができます。

ATMフェイスの制服は、インターナショナルなデザインを展開するHANAE MORIブランド。水戸芸術館を運営する公益財団法人水戸市芸術振興財団の理事長・森英恵氏によってデザインされました。HANAE MORIの服で芸術館を案内するなんて、何という素敵なお仕事なのでしょう! さあ、ツアーの開幕です。

吹き抜けのエントランスホールはクラシックな教会建築様式

スタート地点は、教会建築の様式を取り入れたエントランスホール。1階が角柱、2階は円柱、壁面のライトの形は丸や三角。クラシカルな雰囲気の中に、ポストモダンの要素が息づいています。その中で、真っ先に目に飛び込んでくるのが、正面のパイプオルガンです。

通常はコンサートホールのステージ上に設営されるパイプオルガンですが、水戸芸術館では市民が気軽に音楽に親しめる環境づくりを目指して、この場所に設置されています。施設でイベントを鑑賞する時はもちろん、ただ通り抜ける時でさえも、パイプオルガンを目にすることができる贅沢なエントランスなのです。

このパイプオルガンの設計から整音まで全ての工程は、日本人オルゲルバウマイスター2人によるパイプオルガン製作工房「マナ・オルゲルバウ」の手によって進められました。正面から見えるパイプの本数は限られていますが、実は3,283本のパイプによって構成された、国産最大級のオルガンです。

東日本大震災を経て生まれ変わったパイプオルガン

東日本大震災の時、水戸市は震度6弱の強い揺れに襲われ、水戸芸術館も約4ヶ月間の休館を余儀なくされました。幸い事故には至りませんでしたが、パイプオルガンからも5本ものパイプが1階へ落下したそうです。

オルガン製作を行った「マナ・オルゲルバウ」のマイスターたちは、自分たちの生み出した楽器が人を傷つけることがないよう、震災対策を強化。揺れによって土台から外れた時でも落下することがないよう、修繕を行う際、パイプをワイヤーで上部に固定しました。

開館以来20年ぶりにパイプオルガンの大規模な修繕に挑戦したマイスターたちの仕事は、震災対策や、落下による衝撃で変形したパイプの補修だけに留まりませんでした。新たに装備された機能のひとつは、「ツィンベルシュテルン」と呼ばれる鐘の音を鳴らす装置。天井から響き渡るような美しい音が鳴るたびに、パイプオルガンの中心部の星の飾りも回転します。また、水笛の音を奏でる「ナイチンゲール」も新設されました。

震災から1年後、新たな機能を得てパワーアップしたパイプオルガンで復活コンサートを実施。復活を待ちわびていた観客は、なんとのべ1,800人! エントランスホールを埋め尽くすほどの賑わいでした。

水戸市民から復興の大きな希望を託された、パイプオルガン。週末に開催される「プロムナード・コンサート」で誰でも気軽に楽しむことができる点も、広く愛される理由のひとつです。

シェイクスピアのグローブ座をモデルにしたACM劇場

水戸芸術館ACM劇場

続いて、コトブキシーティングのイスが納まったACM劇場へ。吹き抜けエントランスの開放的な雰囲気から一転。劇場のモデルは、シェイクスピアの戯曲が数多く上演されたロンドンのグローブ座です。現代演劇はもちろん、音楽劇や落語、狂言など幅広いジャンルの公演が行われています。

ACM劇場の特徴は、三層の客席がぐるりと舞台を囲んでいること。ステージの高さは前列からでも大きく見上げる必要がない60cm、そしてステージと客席の距離も非常に近く、俳優と観客が同じ空間を共有している意識を盛り立てます。エリザベス朝を代表する劇場の一つとして演劇史に名を残すグローブ座のように、濃密な一体感を感じられる劇場空間です。

水戸芸術館ACM劇場

客席のイスは「緊張感を持って芝居に臨む」というコンセプトのもと、ゆったりと身体をあずけるイスではなく、背筋がピンと伸びるような木製の背もたれのイスが採用されました。現在は、高齢の観客や、小さな子供を連れた親子客が増えたこともあり、背もたれにクッションを設けることも検討されています。

五感で楽しめる美しい食事はレストラン「チャイナテラス」で

チャイナテラス

ACM劇場に続いて訪れたコンサートホール・現代美術ギャラリーの前に、この日のランチライムについてご紹介しましょう。2016年11月に水戸芸術館の敷地内にオープンした、新中国料理レストラン「CHINA TERRACE」です。

チャイナテラスの八宝茶

この日オーダーしたのは、季節限定の「寒梅ランチセット」。食事を楽しむすべての方に、チャイナテラス自慢の「八宝茶」が提供されます。味や香りはもちろん、時間とともにティーポットの中で花が開いていく様子を、目でも存分に楽しむことができます。

チャイナテラスの寒梅ランチセット

チャイナテラスの寒梅ランチセット

季節の素材を使った色鮮やかな前菜盛り合わせは、上品な味わい。中華料理と聞くと炒め物などの豪快な大皿料理が頭に浮かびがちですが、チャイナテラスのメニューは、アートを楽しむ水戸芸術館併設にふさわしい、繊細で美しいものばかりです。前菜の次は選べる「麺・飯」から「海老ワンタンと春の菜の花麺」をいただきました。デザートまでついた、1日限定20食のランチセットです。

水戸芸術館で音楽や演劇、美術を楽しむ前後の利用だけでなく、水戸市に足を運んだ時にはまた再訪したいと思える素敵なレストランでした。

チャイナテラスのイス

イスの座り心地も快適でしたよ♪