暁星学園
新講堂

2019.06.13
学校講堂・多目的ホール

施設説明

創立125年を迎えた、暁星学園のこれまで

暁星学園の歴史は、5人のフランス人宣教師が創立した、フランス系カトリックの学校から始まります。当初は生徒数6名の学校でしたが、小学校・中学校・高等学校の順に設立し認可を受け、1951年には学校法人化を実現。1969年には幼稚園を発足させ、現在の幼小中高一貫教育を開始し、各学年100人を超える学校に成長しました。そして2013年には創立125周年を迎え、その記念事業として、キャンパスの整備が進められています。

周年記念事業として新設した、新講堂・体育館

125周年記念事業を代表するのが、2018年10月に竣工した、新講堂・体育館です。上の階が体育館、下の階が講堂で構成された、複合用途の校舎です。周年記念事業に思いを寄せる学校関係者からも祝福を受け、同窓会からは宗教画「暁の星なる聖母」を描いた緞帳が贈られました。

新講堂はワンフロアで構成されており、1,184席が並んでいます。大きく広やかである一方、木の壁に囲まれ温かな印象を抱かせる空間です。その柱となっているのが、新講堂・体育館の新設のためにやむなく伐採された4本の大銀杏でつくられた、ステージ左右の曲面壁。学園に集う生徒たちを、長らく見守り続けた大銀杏の思い出が、講堂全体を優しく包み込んでいます。

スムーズにイスから立ち上がることができる「スペーシア」

座席の張地には、スクールカラーを模した緑色を採用。またイスの木部に明るい色の材木を選んだことで、ホールとの調和をとりました。客席の中央へ横に伸びる大きな中通路より前方は緩やかな階段状に、後方は急勾配で構成されています。前方の両端ブロックのイスは、ステージの見やすさを考慮して、弧を描くような配置です。

イスには、長く座っても疲れない座り心地と、広い足元空間の両立を目指し開発した、「スペーシア」タイプの座が採用されました。スペーシアは、座の先端が細くなった形状により、従来の座に比べて着席時の足元のスペースを広く確保できます。膝を曲げやすく、足を深く引くことができるため、席からのスムーズな立ち上がりが可能です。また、現代の生徒の体格に合わせ、旧講堂に入っていたイスより間口を10センチ広く設定し、座り心地を高めました。

新講堂では、主に式典や文化祭、礼拝などが予定されており、時には聖歌隊が歌うためのスペースがステージの前に必要です。そこで客席前3列のイスを取り外すことができるよう、キャスター付の移動席としました。通常時は床にボルトで仮固定するため、誤って動くことはありませんが、ボルトを外しイスを上に少しだけ持ち上げると収納されていたキャスターが地面に着き、動かすことができます。ステージ下に設けた収納スペースに納められるよう、背倒れ機構も備えています。

暁星学園は今まで周年記念事業として、50周年に旧講堂・体育館、80周年に聖堂・中高特別校舎、100周年に中高校舎、110周年に小学校校舎・幼稚園園舎を建ててきました。創立125周年を迎えた今回新設された新講堂・体育館も、これまで同様、生徒や学校関係者から愛される講堂となることが期待されています。

居室データ

所在地
102-0071 東京都千代田区富士見1-2-5 地図
施主
学校法人暁星学園
設計
株式会社久米設計
竣工
2018年10月
総席数
1,184
関連リンク
  • 暁星学園 webサイト