岡山芸術創造劇場 ハレノワ
中劇場

2024.03.08
劇場・コンサートホール

施設説明

舞台と客席の一体感を創り出す、すり鉢状の客席

岡山芸術創造劇場 ハレノワには、三つの劇場があります。
深淵な宇宙を感じさせる中劇場は、演劇、ダンス・舞踊、伝統芸能などの舞台芸術公演と、音楽芸術公演で利用される807席の劇場です。その特徴は、演者の生声や演奏者の息遣いまでも聞こえそうなほど、客席から舞台を近くに感じられること。客席はすり鉢状につくられており、後方に行くにしたがって段差が大きくなっています。前方と後方では、段の高さの差が30cm以上も。舞台に立つと、客席が迫り来るような迫力です。1層目の前方席と2層目を千鳥配置にすることで、さらにどこの席からも舞台が見やすい鑑賞環境を整えています。

観客の身体を支える、「夜の晴れ」をイメージした艶やかなイス

舞台に向かって真っ直ぐに並ぶイスは、大劇場と同様、Unizon(ユニゾン)をベースにアレンジしました。背板とクッションには、大劇場とは対照的に直線的なトリミングを施しています。クッションは、正面から見た時に木の縁取りがしっかりと見えるデザイン。各席を形づくるシャープなラインと相まって、客席全体にスッキリとした印象を与えています。その一方、見た目の印象とは対照的に横から見ると背骨に沿うようなS字カーブが、上から見ると背中を抱きかかえるようなカーブが背板とクッションについており、三次元曲面の形状が鑑賞時の身体を優しく包みます。
座は、先端に向かって薄くなる「スペーシア」です。着座時の足の自由度を高めるとともに、足元空間を広く確保。足を深く引き込めるため、立ち座りの動作もしやすいユニバーサルデザインです。
客席の宇宙感を一層引き立てるのは、株式会社FABRIKOによる中劇場のためのオリジナルデザインの張地です。大劇場と同様「晴れの国おかやま」をテーマに、中劇場は星空の美しい「夜の晴れ」を表現したデザイン。客席全体に艶やかな雰囲気を与えています。張地の詳細については、こちらをご覧ください。

演目に応じた最適な環境を創出

客席の前方5列は、床から取り外して動かすことのできる移動席です。床とイスのベースを留めている仮固定ボルトを取り外し、イスを軽く持ち上げるだけで、キャスターが効いて動かせます。移動席部分の床は昇降できる迫りになっており、オーケストラピットとしての利用が可能です。
音楽芸術公演時には、舞台の壁面と天井に音響反射板を設置し、舞台上にはオーケストラチェアを並べます。オーケストラチェアFC-700シリーズは、フラットな座面形状と適度な重量感が特徴。演奏時のさまざまな姿勢を支え、安定を保ちます。演奏者を引き立てるマットなブラックが、一層華やかなコンサートを演出します。

ハレノワのための楽屋イス

出演者が控室として利用する楽屋には、オリジナルのイスが採用されました。衣装を傷付けないスツールタイプで、座の内部のウレタンフォームと樹脂繊維コアによる2層構造で豊かな座り心地を生み出しています。広く水平な座面は、腰掛ける方向を選びません。関係者でサンプルを確認しながら細やかに調整を施した、ハレノワの楽屋のためのイスです。

施設概要

岡山芸術創造劇場 ハレノワは、かつて芝居小屋や映画館が並ぶ娯楽の町として賑わい、エンターテインメントの伝統を持つ「千日前」と呼ばれる地域に、岡山市民会館と岡山市立市民文化ホールの機能を併せ持つ施設として生まれました。愛称の「ハレノワ」は、市民からの公募で決まったもの。非日常の舞台空間である「ハレ」の場を日常の中で創っていく劇場であり、ハレの輪を岡山の街に広げられる、市民にとって身近な劇場であるように、との想いが込められています。
コンセプトは「魅せる」「集う」「つくる」。文化芸術の創造・発信を通して、文化芸術に親しむ市民、未来の劇場を支える劇場人、アーティストを育てるとともに、まちの賑わいの創出にもつなげ、心豊かで活力ある地域社会づくりを目指しています。
中劇場のほか、オペラなどの大型公演ができる大劇場、多彩な舞台芸術を創造する小劇場アートサロン練習室などを備えています。オープンスペースでは国内外のアーティストのアートワークが展示されているなど、市民が気軽に足を運べる施設です。

居室データ

所在地
700-0822 岡山県岡山市北区表町3-11-50 地図
施主
岡山市
設計
株式会社竹中工務店
オープン
2023年9月
席数
807
関連リンク
岡山芸術創造劇場 ハレノワ  WEBサイト
岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場 | 株式会社FABRIKO WEBサイト