山陽小野田市民館
文化ホール

2023.06.13
劇場・コンサートホール

施設説明

リニューアルオープンした山陽小野田市民館

山陽小野田市民の交流拠点として歴史の長い山陽小野田市民館は、文化ホールと体育ホールの二つの棟から構成されています。2020年4月、耐震補強を含む改修工事を終えた文化ホールは、天井・床が一新され、客席のイスも新しく生まれ変わりました。リニューアル前のホールは建築から約半世紀が経過していたため、イスや客席の構成は、令和の時代に合わせてアップデート。山陽小野田市らしさが感じられる市民の交流拠点として、期待が寄せられています。

現代のニーズに合わせた客席づくり

これまでのホールのイスは、一人分の間口・座面の高さなどを始めとする設計が、現代人の体格にはやや窮屈な大きさでした。そこで新しいイスは、一人分間口を4センチ・座面高は6センチ拡大し、背もたれの高さも現代の劇場イスの標準サイズに設定。平らだった背のクッションは人間工学に沿った三次元局面の形状を採用し、座には長時間の着席の疲労感を軽減する波型スプリング入りの三層構造のクッションを搭載することによって、別次元の座り心地へと進化させました。
各席へのアクセスも改善するため、リニューアル前の客席にはなかった横通路を、客席の中央部に追加しました。座席前の通路も通行しやすいよう、イスの座には「スペーシア」を導入しています。「スペーシア」は、座の先端部分が細くなったバリアフリー仕様の座の愛称です。着席時に膝裏に当たる部分を細く薄くすることによって、足を引きやすく、そして足を引く際の余裕あるスペースを確保します。座ったまま座席の下へ足を引けば、立ち上がることなく、座席前の通路を行く他の観客を通すことが可能です。立ち座りもスムーズに行える高齢者にも優しいつくりが、市からも評価を得て、導入が決まりました。
他にも、車イス席の新設や、客席最前列を移動席にして身障者優先席にするなど、客席の随所にバリアフリーを追求しました。これらの改修により、客席数はこれまでの532席から445席へと減少していますが、誰もが快適に楽しめる空間へと進化を遂げています。

「夕陽の美しい街」を表した特別なテキスタイル

夕陽のようなオレンジ色の客席を創り上げているのは、山陽小野田市のために製作した特別な張地です。夕陽百選にも選ばれている「夕陽の美しい街」を全面に出したいという市の要望を受け、株式会社FABRIKOのテキスタイルデザイナーがデザインを手掛けました。
2018年に策定された市のロゴマークのオレンジ色を緯糸に用い、夕陽をイメージするグラデーションを表現。凹凸感と表情のあるテキスタイルは、角度によって色の見え方が変わり、ホール内に夕陽が差し込んでいるかのような温かい空間に仕上げています。

施設概要

旧山陽小野田市民館は、1970年竣工の体育ホールと1973年竣工の文化ホールの二棟から構成されていました。2016年に行われた調査で耐震補強が必要との判定を受け、災害時の防災拠点施設に位置付けた重要な施設であることから、市は改修工事に着手。建物の安全確保を最優先に利便性の向上・バリアフリー化・施設の長寿命化を図り、2020年4月、リニューアルオープンを果たしました。

居室データ

所在地
756-0802 山口県山陽小野田市栄町9-25 地図
リニューアル
2020年4月
席数
445
施主
山陽小野田市
設計
株式会社K構造研究所
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
テキスタイルデザイン:山陽小野田市民館 | 株式会社FABRIKO WEBサイト

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