築上町役場
議場

2023.07.28
議場

施設説明

バリアフリー化した新庁舎、防災拠点の役割も

福岡県築上町は、老朽化および耐震性の不足が課題となっていた旧庁舎に代わり、2021年1月、新庁舎を開庁しました。安心・安全な庁舎を目指し、バリアフリーに対応。また、防災対策室の設置や災害時の行政機能停止を防ぐための設備など、防災拠点となる設備や機能も整えられています。
庁舎の建て替えに伴い、議場は進化を遂げました。多様な情報化社会を踏まえ、新たに映像設備を導入。また、開かれた議場として防音仕様の親子傍聴席を新設し、親子で気軽に傍聴できる場をつくっています。
コトブキシーティングは、傍聴席を含めた議場家具を納入しました。全ての机イスは、庁舎が防災拠点として稼働する際、室内の家具を動かして議会以外の用途に議場を使用する可能性を想定した移動式です。

張地と天然木の組み合わせが、柔らかく温かみのある議場空間を演出

議場の入口から見て一番奥にあるのが、議長席とその両隣に並ぶ事務局席です。この3席は議場全体を見渡せるよう雛壇上にあり、それを挟むように24席の職員席が、そしてそれらに向かい合って14席の議員席が並びます。
各席のイスに選ばれたのは、張り包みの背と座が印象的なAC-3900シリーズのキャスタータイプです。張地をたっぷりと使った温かみある座席に、フラットな形状の天然木の肘当てを組み合わせた、議会らしい格式を印象付けるデザインです。色は張地をチャコールに、肘当ての木部を内装に合わせたナチュラルカラーに仕上げました。
議長席は議場の中で唯一の背もたれが高いハイバックタイプ、議員席や事務局席・職員席はローバックタイプです。いずれの席も、クッションとしてウレタンフォームが背と座にしっかり詰まっており、長時間に及ぶ議会でも快適な座り心地を提供します。
机は、移動のしやすさを考慮して一人掛けが選ばれました。イスと同様のキャスタータイプ。発言台にも同じキャスターがついており、専用ハンドルを差し込んで回せば、発言者の体格や起立・車イスの有無などに応じて高さ調整が可能な油圧式上下機構も備えています。一方、演台のキャスターは収納式です。移動させる時は、マイクユニットのコンセントを床から外し、天板下のレバーを幕板側に下ろせば、収納されていたキャスターが床に接地して移動が可能になるのです。正面から見てもキャスターがはっきりと露出しないため、議場らしい美しい佇まいを保ちます。

快適性と機能性を両立したスタッキングチェアを傍聴席として

議員席の後ろに並ぶ傍聴席には、座跳ね上げ式のスタッキングチェアFC-3232が選ばれました。小劇場の客席用として開発されたこのイスは、コンパクトながらも身体にフィットするクッションでゆったりと座れます。脚は床に固定されておらず、席数や設置位置が調整できる一方、脚部にあるギャンギング機構を使えば簡単に連結して整列させることも可能です。最前列は、議会エリアと傍聴エリアを分ける腰壁に収納式テーブルを設置し、メモを取れる記者席としました。張地は、他の議場家具に合わせたチャコールカラーです。

施設概要

2021年1月、福岡県築上町の庁舎が新しくなりました。新庁舎は旧庁舎に不足していたバリアフリーや耐震性を解決し、町民の利便性を向上。また防災拠点としての機能を追加することによって、災害時の安心・安全も確立しました。親しみやすい町のシンボルを目指し、議場の天井や壁の一部には、町に由来する「金唐革紙」「京築ヒノキ」が使用されています。

居室データ

所在地
829-0392 福岡県築上郡築上町大字椎田891番地2 地図
施主
築上町
設計
株式会社大建設計
オープン
2021年1月
席数
78
※傍聴席・記者席・親子傍聴席を含む
関連リンク
築上町 WEBサイト