新校舎に新たに設けられた多目的室
足立区立綾瀬小学校は、令和4年度に創立60周年を迎えます。新たに建てられた校舎には、普通教室や特別教室、体育館のほかに、特色ある多目的室がつくられました。
最も広い多目的室1は、昇降口を入ってすぐの図書室の隣にあります。昇降口と図書室、図書室と多目的室1はそれぞれ、ガラスのスライディングウォールで仕切られており、開放的な空間です。このスライディングウォールを収納すると図書室と一体的な利用が可能な広い空間になります。
空間の用途を広げる移動観覧席
多目的室1には、クラスの発表や児童の活動、講演会、保護者を招いた説明会など、さまざまな用途に対応できるよう、112席の
移動観覧席が採用されました。
移動観覧席は、必要な時に出し入れができるひな壇状の座席です。綾瀬小学校では、操作性や安全性に考慮して全て手動で操作を行うマニュアルタイプが選ばれました。ナチュラルな木と、白を基調とした空間に溶け込むベージュ色のイスが、優しい印象を与えます。座面がひと続きとなったベンチタイプで、背もたれが搭載されています。
設置の操作はいたってシンプル。壁面に収納された観覧席を、専用のレバーを使用して段を出し、両側に落下防止のための手すりと進入防止のカーテンを取り付ければ設置完了です。利用時にイスを並べる手間や時間が大幅に削減され、そのぶん学びの時間をしっかりと確保できるようになりました。
ライブ感のある授業やプレゼンテーションを実現
階段状の座席は、着席時に前に座った児童の頭部で視界が遮られることが少なく、先生は児童一人一人の表情をきちんととらえることができます。そのため、教室で行う授業に比べ、ライブ感のある活発なやり取りが期待できます。
ICTを活用した授業の増加とともに、児童の発表の場も増えています。教室で行うプレゼンテーションとは異なる特別な体験として、子どもたちの学習はもちろん、教員側の指導の可能性も広がる空間ができました。
施設概要
足立区立綾瀬小学校は、東京メトロ綾瀬駅から徒歩5分ほどの、にぎわいある立地に在ります。令和4年度に創立60周年を迎えた、区内でも有数の歴史ある小学校です。教育の目標は「かしこい子」「やさしい子」「たくましい子」。音楽・図工・家庭・国語等における、技能と表現力の計画的な成長を方策とし、お囃子部・吹奏楽部など、文化的な活動も盛んです。
新校舎の建設にあたって掲げられた方針の一つが、「時代の変化に対応できる学校づくり」です。多様な学習形態、集団活動を弾力的に可能にし、時代の変化にも柔軟に対応できる施設を目指しています。将来的には複合施設等、他用途への転用も見据えた可変性のある施設づくりを行っています。