揖斐川町地域交流センター「はなもも」
ホール

2016.03.08
劇場・コンサートホール
空調システム
空調システム

施設説明

2015年9月、揖斐川町地域交流センター「はなもも」が竣工しました。同月5日に行われた竣工式には、約1,000名の揖斐川町民が参加。揖斐川の伝統文化をはじめとした町の魅力を全国に伝える交流の拠点として、開館当初から大きな注目を集めています。

伝統芸能をモチーフに、劇場イスの張地を製作

施設内に設けられた828席のホールの客席は、劇場イスとしては珍しい、艶やかな模様の張地が特徴的です。この模様は、揖斐川の伝統芸能の「谷汲踊」(たにぐみおどり)で使われる、色鮮やかな鳳凰の羽を模した「シナイ」がモチーフ。コトブキシーティングのテキスタイルデザイナーとの綿密な打ち合わせによって、特別に製作が行われました。

揖斐川町の伝統芸能、「谷汲踊」とは

谷汲踊の歴史は、1185(文治元)年に壇ノ浦の戦いにて、源氏の武士が平家に戦勝したことを祝って舞ったのが由来とされています。1958年には、岐阜県重要無形民俗文化財第1号の指定を受けた、岐阜県を代表する踊りです。

「谷汲踊」は、胸に太鼓を抱え、背中に高さ4メートルにもなる「シナイ」を背負った太鼓打ちが向かい合って踊ります。毎年2月に、谷汲山華厳寺の仁王門前で上演されるほか、各地の行事でも披露される、町にとって伝統と馴染みの深い芸能です。古来からの様々な想いや願いは、この踊りを通じて町に受け継がれて来ました。

揖斐川町の誇りとも言えるその伝統を形にした、ホールの客席。イスの張地は、ヘリンボーン柄にゆらぎを加えて色の縞と重ねることによって、鳳凰が羽ばたいているかのような「シナイ」の動きを表現しました。光沢感のある素材と、イスの背や肘にもたっぷりと使われた天然木が、伝統芸能の独特の神秘的な華やかさをホール全体に演出しています。

伝統と最新空調設備の融合 ハイブリットな劇場イス

揖斐川町の歴史を感じさせるこのイスのもうひとつの大きな特徴は、居住域空調システムを備えたことです。

室内温度よりやや低い温度の空気をイスの背上部から吹き出す、熱上昇気流を利用して温度成層します。劇場やホールなどの静けさを損なうこともあるエアーコンディショニングシステムよりも、暗騒音を大幅に軽減。また、高い空気清浄度、ランニングコストの低減とCO2の削減など、機能性だけでなく、環境への配慮も兼ね備えています。

居室データ

所在地
501-0603 岐阜県揖斐郡揖斐川町上南方27-7 地図
施主
揖斐川町
設計
大建設計株式会社
竣工
2015年9月
席数
828
関連リンク
揖斐川町 WEBサイト
揖斐川町地域交流センター「はなもも」 | 株式会社FABRIKO WEBサイト