東広島芸術文化ホール誕生!
東広島芸術文化ホールは、演奏・鑑賞両面の環境充実を図って、2016年4月にオープンしました。施設の愛称「くらら」は、ホールが日本酒の銘醸地として有名な酒都・西条にあることから、酒蔵の「くら」のイメージをベースに、酒蔵のまちで音楽を楽しむことや、酒蔵の伝統を守りつつ、新しい文化を楽しく広めるといった意味が込められています。
4層の客席から成る本格的なコンサートホール
コトブキシーティングがイスを納入した大ホールは、客席数が1,206席。客席は4層からなり、すべての層にサイドバルコニー席を備えたクラシカルな雰囲気。1階と2階の壁面には、それぞれレンガと天然木を用いた音響反射板が設置されました。また、舞台と客席の壁・天井が連続した形式となるコンサート用の音響反射板も備え、反射による音の拡がりや、豊かな残響を堪能することができる、本格的な音楽ホールです。
一方でプロセニアムを構成したときは、客席とステージの境界線が明確に描かれており、緞帳やオペラカーテンなどの幕を自在に取り入れた公演が可能です。クラシックコンサートのみならず、演劇やオペラなど多様な舞台芸術に対応します。
大ホールのイスは、酒蔵通りのまち・西条に由来
大ホールのイスのデザインは、施設の愛称「くらら」と同じく、酒都・西条に由来します。有職文様として有名な「立涌」に、酒を造る工程の中で米を蒸す際に立ち昇る蒸気のイメージを重ねて、張地を製作。立涌の中に伸びゆく稲穂を描いたオリジナルのデザインの張地が特徴的です。
エンジ色の経糸と交わった赤いモールの緯糸は、見る角度によって光の当たり方が異なり、湯気のゆらぎを描き出しています。イス本体にも、張地と同じコンセプトを元にしながら音楽ホールらしいクラシカルさを追求し、蒸気が立ち昇るようなイメージで、背もたれに優美な曲線を描きました。
この背もたれの木部で特徴的なのは、着席する人を包み込むようにして肘掛けと繋がっている点です。特殊な加工によって三次元カーブを描いた細やかな仕様が、イスの印象をたおやかにしています。