長野市芸術館は、2016年5月にオープンしました。
長野市の歴史や文化、伝統、芸術の発展や発信を担うことを目標に掲げた本施設の芸術監督は、長野県出身の久石譲氏。作曲家として世界的に著名な同氏は、オープン後に初開催となった夏の音楽フェスティバル「アートメントNAGANO 2016」でも『日常に、芸術を』とコンセプトを掲げ、市民の日常に根ざした舞台芸術創造を積極的に支援しています。
クラシックを中心とした音楽専用ホールのリサイタルホールは、293席。長野市芸術館(Nagano City Arts Center)の略である「NCAC」を冠した、「NCAC音楽大学」と題する講座など、プロ演奏家のコンサートに留まらず、市民が音楽を身近に感じられるようなイベントも数多く企画されています。
リサイタルホールのテーマは「波」です。波のゆらぎや力強さを感じさせる壁面や天井のデザインと、曲げ木の肘掛を持つイスの緩やかな曲線が調和。ステージで奏でられた音が、波紋のように客席へ広がって響く様子を、視覚的にも楽しむことができます。客席のイスは、メインホールと同じく槇文彦氏が考案し、コトブキシーティングが製造しました。
イスの木部には、木目が美しく温かみのあるメープルを採用。張地の色は、この木部に似合う鮮やかな赤が採用されました。オリジナルでデザインされたこの張地は、畝のある織りによって凹凸が生まれた細やかな装いが印象的です。僅かに濃度が異なる三色の赤をランダムに客席へ張り分けることで、コンパクトながら奥行きのある空間が生まれました。
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