ホールが会議室、仮病棟、救護スペースにも早変わりロールバックチェアースタンドが広げる病院施設の可能性

2020.02.04
事例特集

セミナーや研修、地域交流の場として、講堂やホールを施設内に設ける病院が増えて来ました。講堂・ホールには、限りある施設敷地面積の中で、病院施設の主目的を圧迫することなく、多目的に使用できる利便性と機能性が求められます。今回は、講堂・ホールを幅広く活用できるよう、移動観覧席(ロールバックチェアースタンド)を導入した病院をご紹介します。移動観覧席は、階段状の本格的な座り心地の良い客席を簡単な操作で展開・収納できる可動式の客席システム。スタッキングチェア・フォールディングテーブル・収納式ステージなどを組み合わせれば、目的に応じて更なる空間活用が可能になります。収納すれば、客席のない平土間空間となり、非常時の仮病棟や救護スペースなど、活用の幅が広がります。

01災害時の仮説病棟としても活用可能な講堂を

済生会宇都宮病院 南館
みやのわホール(講堂)

長年にわたり、地域中核病院として地域住民の健康を支え続けている済生会宇都宮病院。高度急性期医療を中心とした診療機能の充実を目指し、約1年をかけて建築した南館が、2017年8月にオープンしました。2階に設けられた講堂は380人を収容できます。地域住民から親しまれるようにと想いを込め、「みやのわホール」と名付けられました。200席の移動観覧席と180席のスタッキングチェア、レバーを握るだけで使用状態のまま平行移動ができるフォールディングテーブルが導入されています。

移動観覧席は前方移動式のため、イベントの規模によって前後に動かして使うことができます。移動観覧席とスタッキングチェアを並べれば本格的な客席として、テーブルを並べれば会議室に早変わりします。移動観覧席のイスにはメモ台が備わっているため、筆記が必要な時にも困りません。

全ての家具は、必要に応じてスムーズに収納できるため、平土間を創り上げることも簡単です。災害時には仮設病棟としての役割を担えるよう、ホールの壁面には医療ガスが埋め込まれています。

02スライディングウォールと収納式ステージで多様なレイアウト

東京医科大学病院
臨床講堂

東京医科大学の西新宿キャンパスに、2019年7月、新病院が開院しました。特定機能病院として安心・安全に最先端の高度医療を提供し、災害時には新宿・中野・杉並エリアの中核拠点機能を担い、大学附属病院としての教育機能を併せ持つ、904床の病院です。

新病院9階、みどりの庭園が見えるホワイエを通り抜けた先にあるのが、臨床講堂です。大学と病院の講義・式典・イベントだけでなく、医療関係の学会やセミナー、病院主催の市民公開講座などの開催が予定されています。

新たな臨床講堂は、可変性を持った講義・会議・教育の場として多目的に活用することを目指しています。そこで客席として採用されたのが、移動観覧席とスタッキングチェア・フォールディングテーブルの組み合わせです。さらにステージも収納可能な移動式のため、講演会の時には階段状の客席と壇を創り上げることはもちろん、広いスペースが必要な時には全ての家具を収納して、平土間として活用することができます。災害時の救護スペースとしても多目的に活用可能です。

部屋の中央にはスライディングウォールも備えているため、空間を分割することも可能です。一つの空間を二つの居室として、中規模の会議や研修などに使えます。

03広めの座席スペースと大型スクリーンでゆったりとした空間に

華岡青洲記念病院
大会議室

世界で初めて全身麻酔を用いた外科手術(乳癌手術)を成功させた江戸時代の外科医、華岡青洲。2016年8月、直系子孫がその名を冠した「華岡青洲記念心臓血管クリニック」を札幌市豊平区で開院しました。2019年12月からは華岡青洲記念病院と名を改めています。

増築した新棟の地下には、98席の大会議室が設けられました。部屋の前方には手術室のモニターと繋がった大きなスクリーン(220インチ相当)が設置されており、リアルタイムで手術の状況を見ることができます。画面を多分割にして見たり大きな1画面として見たり、場面に応じた使い方が可能な設備が整っています。

限られた院内のスペースを少しでも有効に活用するために選ばれたのが、移動観覧席です。長時間に渡る手術でも集中して視聴できる環境づくりを目指した病院スタッフによる、こだわりのイスが搭載されています。
席は1段当たり320ミリメートルの段差があり、前に座った人の頭でスクリーンが隠れる心配がなく、講演者の顔もしっかりと見ることができます。イスの前後ピッチは1,000ミリメートルと広め。これも、前後の人の動きを気にせず、集中力を持って座るためのサイズです。観覧席を使用しない時には、リモートスイッチを取り付けてボタンを押すと、搭載されたイスと移動観覧席が電動でたたまれ、数分で部屋の後方へ収納できます。

収納した移動観覧席をスライディングウォールで目隠しすれば、座席があることにも気づかせない、フラットな空間の誕生。様々な用途への活用が期待できます。

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

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