世界で初めて全身麻酔を用いた外科手術(乳癌手術)を成功させた江戸時代の外科医、華岡青洲。2016年8月、直系子孫がその名を冠した「華岡青洲記念心臓血管クリニック」を札幌市豊平区で開院しました。2019年12月からは華岡青洲記念病院と名を改めています。
増築した新棟の地下には、98席の大会議室が設けられました。部屋の前方には手術室のモニターと繋がった大きなスクリーン(220インチ相当)が設置されており、リアルタイムで手術の状況を見ることができます。画面を多分割にして見たり大きな1画面として見たり、場面に応じた使い方が可能な設備が整っています。
限られた院内のスペースを少しでも有効に活用するために選ばれたのが、移動観覧席です。長時間に渡る手術でも集中して視聴できる環境づくりを目指した病院スタッフによる、こだわりのイスが搭載されています。
席は1段当たり320ミリメートルの段差があり、前に座った人の頭でスクリーンが隠れる心配がなく、講演者の顔もしっかりと見ることができます。イスの前後ピッチは1,000ミリメートルと広め。これも、前後の人の動きを気にせず、集中力を持って座るためのサイズです。観覧席を使用しない時には、リモートスイッチを取り付けてボタンを押すと、搭載されたイスと移動観覧席が電動でたたまれ、数分で部屋の後方へ収納できます。
収納した移動観覧席をスライディングウォールで目隠しすれば、座席があることにも気づかせない、フラットな空間の誕生。様々な用途への活用が期待できます。