熊谷ラグビー場は、1991年にオープン。春の全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会が開かれるようになった2000年以降、大阪府の「花園ラグビー場」と並んで「西の花園 東の熊谷」と謳われてきました。今や東日本を代表する、ラグビーの聖地です。2019年の大会を目前にして、国際大会規格に適合したスタジアムに進化させるべく、2016年から全面的な改修工事を行い、2018年8月にリニューアルオープンしました。
今回の改修工事では、既存のスタンドをバックスタンドとして生かしつつ、対面に新しいメインスタンドを作りました。改修前のバックスタンドは芝生席で、メインスタンドの座席はベンチタイプが大半を占めていましたが、この改修では、約24,000席の座跳ね上げ式のイスを設置。1人1席に腰かけて観戦することができます。イスは観戦時にピッチの端から端まで体の向きを変えながら見渡せるよう、背もたれをやや起立させたラウンド形状に設計。座の収納時の奥行は、250ミリメートルと極限までコンパクトになるよう追求し、座席前後の通路の通りやすさも実現しました。スタンドの下部から上部に向かって4色のグラデーションで爽やかに彩り、夏の熊谷の熱気を払いのけるかのような清々しい佇まいです。