日本工学院専門学校は、学校法人片柳学園が有する教育機関の一つです。片柳学園創立70周年記念事業として実施された蒲田キャンパス再整備では、広大な庭園「セントラルプラザ」の地下に、床面積2,800㎡の巨大なアリーナが建設されました。入学式や卒業式など学校を代表する式典の場として、B.LEAGUEの試合会場をはじめとした室内競技アリーナとして、そして大規模コンサートや舞台公演にも対応できるエンターテインメントアリーナとして、幅広い内容に対応する空間を目指しました。
施設の計画時から、空間利用目的に即した観覧席の検討が進められていたため、既存の施設に後から観覧席を導入するよりも自由度は高め。結果、選ばれたのは、電動の移動観覧席988席、スタッキングチェア約2,000席、固定の劇場イス938席、総席数約4,000席のイスでした。施設の1階フロアは式典を行ったり部活動を行ったりする際に、必ずフラットなスペースが必要だと考えられていたため、展開・収納ができる移動観覧席とスタッキングチェアを採用されました。
ボリュームたっぷりのクッションと背面に配した天然木の組み合わせのイスは、コトブキシーティングのラインナップの中でも、ハイランクのシート。スポーツ観戦を主としたアリーナの観覧席は、試合時と練習時のレイアウト転換をスムーズに行うためにシンプルなイスを導入するケースが多くありますが、片柳アリーナでは長時間じっと同じ姿勢で静かに鑑賞することが求められるコンサートの開催も視野に入れ、劇場・ホールの客席と同タイプの仕様が選ばれました。
オープンから半年後の2016年11月には、地元大田区を本拠地とするプロバスケットボールチーム「アースフレンズ東京Z」の公式戦が開催。試合には2日間で2,500名以上が来場しました。片柳アリーナは今後も、地域での様々な活動を通じた交流の場としての活用が検討されています。