西鉄バス アイランドシティ自動車営業所
仮眠室

2019.07.09
カプセルホテル・仮眠室その他施設

施設説明

先進都市「福岡アイランドシティ」に、新たな自動車営業所がオープン

福岡市の将来をリードする創造的な先進的モデル都市、福岡アイランドシティ。九州とアジア・世界をつなぐ海の玄関口である博多港とその航路整備で生じた“しゅんせつ土砂”などを活用して誕生した、埋め立て地です。2019年3月、西日本鉄道株式会社は、新たな交通拠点「アイランドシティ自動車営業所」をこの地で開業しました。コンセプトは、「アイランドシティの街にとけ込む、緑豊かで開放的な営業所」。開業に合わせ、路線バスを増便し利便性の向上を図ったほか、今後の周辺開発に合わせた柔軟な対応を可能にする営業所として、大きな期待が寄せられています。

カプセルベッドが生み出すプライベート空間で、運転士ひとりひとりが充実した仮眠を

西日本鉄道株式会社のバス運転士は、深夜や早朝にも勤務があり、必要に応じて業務の前や合間に、しっかりと仮眠を取らなければなりません。これまでの仮眠室では、部屋を簡易的なパーテンションで区切りベッドを並べていましたが、寝ている姿が室内に晒される他、ベッドや部屋に出入りする物音や明かりの調節などの課題を抱えていました。そこで「周囲の目や物音を気にせずしっかりと休める仮眠室を提供したい」という思いから選ばれたのが、カプセルベッドです。

カプセルベッドは、主にカプセルホテルで利用される箱型のベッドです。出入り口のロールスクリーンやカーテンで仕切れば、個室に近い環境を生み出せることから、近年はライフラインを担う企業スタッフの仮眠室としても人気が高まっています。

横長の形状をしたアイランドシティ自動車営業所の仮眠室には、計40床のカプセルベッドを2列に並べました。さらにアコーディオンカーテンで部屋を縦に区切り、12~16床ごとの空間を設定。部屋に出入りするためのドアを空間ごとに設置したため、通常は三つの部屋として利用できます。小さい空間を複数作ることで、ひとつの空間あたりの人数を減らし、物音などの心配を押さえています。仮眠を取る人数や時間帯に合わせてカーテンの開け閉めをして、柔軟に対応できます。

カプセルベッドは、コトブキシーティングのSPACE Dシリーズ。外装パネル・フレームと内装パネルの色は、設置場所ごとに変えて空間にアクセントをつけました。組み合わせは全部で6パターン、外装はスタイリッシュなシルバー・ブラウン・バーガンディー、内装パネルはリラックス効果を狙った木目調またはホワイトです。読書灯や小物置き場、コンセントを2口備えており、仮眠の前後に人目を気にせずくつろぐことができます。また、無呼吸症候群の運転士には睡眠時に機械を付けることを義務付けており、その機材を置くための専用棚も、特注で設置しました。

アイランドシティ営業所には、カプセルベッドを導入した仮眠室を筆頭に、西日本鉄道株式会社が掲げる「バスの乗務員にとって働きやすい職場環境の整備・改善」を体現した設備や機能が揃いました。女性乗務員向けのパウダースペースを確保したリフレッシュルームの新設、ストレッチルーム・娯楽室などくつろぎや健康に配慮した設備の強化、屋上緑化をはじめとした環境整備などが、乗務員が快適な職場で長く健康に働き続けることができる職場づくりを目指しています。

居室データ

所在地
813-0017 福岡県福岡市東区香椎照葉5-1-9 地図
施主
西日本鉄道株式会社
設計
九建設計株式会社
オープン
2019年3月
床数
40
関連リンク
  • 西日本鉄道株式会社 webサイト