華岡青洲記念病院
大会議室

2020.01.07
多目的ホール(可動席)その他施設

施設説明

華岡青洲記念病院が開院

世界で初めて全身麻酔を用いた外科手術(乳癌手術)を成功させた江戸時代の外科医、華岡青洲。2016年8月、直系子孫がその名を冠した「華岡青洲記念心臓血管クリニック」を札幌市豊平区で開院。誠実な実践・合理的考察・真理の追究・調和と共生を理念に掲げ、地域医療の提供と技術の継承を目指しています。2019年8月には、外科手術室や新棟を増築。更に、同年12月より、病院に改称しました。

大会議室には豊かな座り心地の移動観覧席を採用

増築した新棟の地下には、98席の大会議室が設けられました。部屋の前方には手術室のモニターと繋がった大きなスクリーン(220インチ相当)が設置されており、リアルタイムで手術の状況を見ることができます。画面を多分割にして見たり大きな1画面として見たり、場面に応じた使い方が可能な設備が整っています。

限られた院内のスペースを少しでも有効に活用するために選ばれたのが、移動観覧席です。移動観覧席に搭載するイスには、様々なラインナップがありますが、今回選ばれたのは、クッションがしっかりしたタイプ。長時間に渡る手術でも集中して視聴できる環境づくりを目指した病院スタッフによる、こだわりのイスです。佇まいは劇場・ホールの固定式のイスに遜色なく、一見しただけではリモコン一つで収納が可能なイスには見えません。

イスの背もたれは、3次元局面の成形合板とウレタンクッションを張り包んだパッドによって、着席者の身体を包み込むように支えます。座は、先端部を細くした「スペーシア」です。着席者の膝裏にあたる部分を臀部側に比べて薄くしているため、横から見ると、座の形は三角形の形を描いています。この形によって、座ったまま足を手前に引いたり離席時に立ち上がったりする際に重心移動が通常の座の形よりも少なくなり、立ちやすい・座りやすいバリアフリーを実現します。着席した時には足元の空間にも余裕があり、長時間座り続けなければいけない時でも、過ごしやすい環境が整います。背裏と座裏にはダークブラウンに塗装した木を配し、明るいインテリア空間に重厚感を加えています。

席は1段当たり320ミリメートルの段差があり、前に座った人の頭でスクリーンが隠れる心配がなく、講演者の顔もしっかりと見ることができます。イスの前後ピッチは1000ミリメートルと広め。これも、前後の人の動きを気にせず、集中力を持って座るためのサイズです。観覧席を使用しない時には、リモートスイッチを取り付けてボタンを押すと、搭載されたイスと移動観覧席が電動でたたまれ、数分で部屋の後方へ収納できます。収納した移動観覧席をスライディングウォールで目隠しすれば、座席があることさえも気づかせない、フラットな空間の誕生。様々な用途への活用が期待できます。

動脈と静脈をも思わせる、鮮やかな緑と赤の張地で張り分けられた移動観覧席。医療の未来を担う、大切な大会議室です。

居室データ

所在地
062-0003 北海道札幌市豊平区美園3条5-3-1 地図
施主
医療法人春林会
設計
株式会社デザインフィールド
竣工
2019年8月
席数
98
関連リンク
  • 華岡青洲記念病院 webサイト