東京医科大学病院
臨床講堂

2019.12.12
学校講堂・多目的ホールその他施設

施設説明

新たな東京医科大学病院が、2019年7月に開院

東京医科大学の西新宿キャンパスに、2019年7月、新病院が開院しました。東京医科大学の本院として全面建替した、地上20階地下2階の建物です。特定機能病院として安心・安全に最先端の高度医療を提供し、災害時には新宿・中野・杉並エリアの中核拠点機能を担い、大学附属病院としての教育機能を併せ持つ、904床の病院です。「患者ファーストの病院づくり」を設計コンセプトに、「やさしく」・「やわらかく」包み込むようなホスピタリティ溢れる治療・療養空間を統一的に実現しています。

多目的に活用できる可変式の客席を備えた臨床講堂

新病院9階、みどりの庭園が見えるホワイエを通り抜けた先にあるのが、臨床講堂です。旧大学病院では320席だった席数は、360席へ増加。大学と病院の講義・式典・イベントだけでなく、医療関係の学会やセミナー、病院主催の市民公開講座などの開催が予定されています。

新たな臨床講堂は、可変性を持った講義・会議・教育の場として多目的に活用することを目指しています。そこで客席として採用されたのが、ロールバックチェアースタンド(移動観覧席)スタッキングチェアフォールディングテーブルの組み合わせです。さらにステージも収納可能な移動式のため、講演会の時には階段状の客席と壇を創り上げることはもちろん、広いスペースが必要な時には全ての家具を収納して、平土間として活用することができます。災害時の救護スペースとしても多目的に活用可能です。

部屋の中央にはスライディングウォールも備えているため、空間を分割することも可能です。一つの空間を二つの居室として、中規模の会議や研修などに使えます。

病院内の講堂の客席に相応しい、佇まいと機能性

階段状の客席を展開・収納可能な移動観覧席は、リモートスイッチのボタン一つで操作が可能な電動式が選ばれました。人手と時間が必要な手動式に比べて労力が少なく、誰にでも簡単に操作できる点が、電動式のポイントです。電動式の場合でも、手摺の取り外しなど一部手動操作が必要な場合もありますが、今回はスピーディーな操作を重視し、手摺を取り外さずに収納できるよう収納庫の形状を工夫したりなど、極力手作業を省いた設定にしています。収納後は、収納された段や手摺り部分がむき出しにならないよう前幕板と側塞ぎ扉を設け、建築壁との一体化を図りました。

イスは、スリムなクッションながらも、長時間の着座に耐えられる座り心地を目指した講堂向けタイプ。色は、木部がダークトーンのブラウン、張地は清潔さと品格を感じさせるシルバーグレーです。全席に収納式のメモ台が備わっており、筆記が必要なシーンのみ肘掛の下から回転させながら引き上げて使用できます。

スタッキングチェアも、移動観覧席に搭載した色と同系色で揃えました。ウレタンフォームと樹脂繊維コアによる、適度に反発力のある座のクッションが特長です。組み合わせて導入したは、レバーを握るだけでテーブル上に物を置いたままでも簡単に移動ができる「リフトアップ機構」を備えた可動式タイプ。移動する時以外は、キャスターが脚先に隠れているため、一見するとスッキリとした固定式の机に見えます。イスも机もすっきりとしたデザインですが、一見しただけでは分からない機能性を備えた、最新の製品です。

居室データ

所在地
160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1 地図
施主
学校法人東京医科大学
オープン
2019年7月
席数
360
※内、移動観覧席240席
設計・施工
株式会社大林組
関連リンク
  • 東京医科大学病院 webサイト