専門的な教育で人材育成を行う、大和青藍高等学校
福岡県直方市にある大和青藍高等学校は、1907年に創立された大和裁縫女学校を前身に持ちます。以来、二度の改称と共学制への移行を経て、今日の大和青藍高等学校が誕生しました。一世紀にわたる一貫した教育方針は、「愛 感謝 奉仕」の建学の精神を実現すること。現在は普通科のほか、看護科・介護福祉科・調理科を設けており、専門的な教育を通して社会に貢献できる有為な人材の育成を行っています。
レクチャーシアター形式の調理室
2019年3月、新たな校舎「錬心舘」が竣工しました。1階には、調理室として Studio A・B・Cの3居室が新たに設けられました。調理科では、新居室と既存居室を合わせた五つの調理室で、分野別に授業や実習が行われます。
コトブキシーティングは、Studio AとStudio Cに、床固定タイプの机イスを納入しました。調理室の前方にあるのは、教卓代わりの大きな調理台スペース。机イスは、Studio Aでは穏やかな円形状に、Studio Cでは多角状に並んでいます。どの席に座っても調理台や先生がよく見えるよう、後列に従って段差が高くなる階段状に設置した、レクチャーシアター形式です。前に座る他の生徒の頭で視界が遮られる心配がないだけでなく、授業への集中力を高め、興味と感心を深める学習環境を促します。
生徒から先生がよく見えるだけでなく、先生の立場からも生徒ひとりひとりの顔をしっかりと捉えることができるのが、この調理室の良い点です。生徒の表情や反応が自然と目に入ることで、説明の方法を工夫したり、理解が進むまで丁寧に説明したりといったきめ細やかな指導が実現します。
製品SD-777シリーズに、大和青藍独自のカスタマイズを加えて
机イスのタイプは、1席ずつ脚部が独立した形状が特長のSD-777シリーズ。イスが隣の席や机と繋がっていないため、隣の人が姿勢を変えたり身体を揺すったりしても振動が伝わりません。また、空席時のイスの背板から机端までの間隔が狭いため、人が通り抜けるための十分な通路幅を確保しています。調理台の周りに集まるために立ち上がって席と席の間を通り抜ける時でも、周囲の席に振動の影響を与えず、前後左右にぶつかるストレスも感じることがなく、スムーズに移動できます。
イスは、座り心地の向上のために、背と座の部分をふたつのパーツに分けたツーピース構造。背もたれは背骨のS字ラインに沿い、座面の奥はせり上がった「ダックテール」と呼ばれる形状です。この形が、安定感ある座り心地を実現しています。
机には、大和青藍高等学校ならではの工夫も施しました。1点目が、幕板の長さです。通常は、天板の下から着席時の膝元を隠す程度ですが、今回は天板よりもやや高い位置から足元までの長さにカスタマイズしました。この長い幕板は、机の上に置いたペンやプリントが前方に転がり落ちないようストッパーの役割を果たし、膝から足元までを隠してスカートを着用する女子生徒への配慮を生みます。
2点目が、天板の形です。通路に面している天板の角は、通行の際に身体が当たっても危険がないように、丸い形にカスタマイズしています。安全性を確保することはもちろん、調理室全体に穏やかな印象を加えており、イメージづくりにも役立っています。
白木に黒いビニールレザーのパッド組み合わせは、白い壁で囲まれたシンプルな調理室に温かみを演出。ナチュラルな空間は、料理の魅力を引き立てます。