吸音効果で反響を防ぎ、台詞を聞き取りやすい客席へ
演劇などのストレートプレイを行なうシアター向けに開発した、劇場専用のイスです。愛称「リブレット」は、イタリア語で「脚本」を指します。
天然木を包み込むように、張地を背裏や脚にもふんだんに使っています。特に張地で包まれた脚の側パネルは、劇場イスの中でも珍しいつくりです。張地が音を吸収し、反響や残響を抑える働きをするため、舞台の台詞が聞き取りやすくなります。
張地と木のコントラストが際立つデザイン、座り心地にこだわりも
ヨーロッパの劇場の客席では、張包みの仕様がスタンダード。「リブレット」はそんな西欧の劇場をも思わせる、脚パネルが張り包まれた仕様が特徴です。一方で、肘掛・背裏には天然木を用いるなど、張地と木のコントラストが際立ったデザインです。木部が多く露出されたイスよりも、客席のカラーを際立たせます。
背のクッションは人間の背骨ラインに沿って設計し、長時間座り続けても疲れにくい快適性を目指しました。上部のウレタンをやわらかめに、下部のウレタンを硬めにすることで、身体への効果的なフィッティングを実現。背裏にもパッドを設置して、吸音力を高めました。通行時にイスの木部が肌に触れて冷たさを感じることも、少なくなります。
肘当ては、触覚が敏感な掌に触れる場所であることから、天然木を採用。肌あたりもやわらかです。
座は、型崩れに強いモールドウレタンと、体圧を均等に分散する耐久性に優れた金属製の波形スプリングを使用しています。長年培った技術により生み出した、身体への負担を最も軽減する特別な形状です。「座自動緩起立装置」も搭載しており、離席時の振動や衝突音を発生させず、ホール内の静粛性を保つことができます。
イスはローバック・ハイバックの2種類。ハイバックは、主に2階以上の観客席に設置します。傾斜のついた客席からステージを臨むため、座った時に背中が起こしやすいように、1階席に利用するローバックタイプよりも背が100mm高く設定しています。階段からの転落を防止する柵の役割も果たします。
天然木と張地をお好みの素材・カラーで組み合わせて客席を自由にデザイン
イスに使用された天然木は、オーク柾目またはビーチ材を選ぶことができ、塗装色はダークトーンからライトトーンまで7種類ご用意しています。
またクッション部の張地は、4種類のテキスタイルからお選びいただけます。摩耗に強い平織張地のKW(ウール30%・アクリル70%)とKF(アクリル100%)、通気性と耐久性に優れたメッシュ素材のKSF、ポリエステル100%のKEです。各張地の色は、豊富なカラーサンプルからお選びいただけます。
イスはローバックとハイバックの2種類
ローバックは低層階用、ハイバックは主に2階以上の高層階の観客席に設置します。傾斜のついた客席からステージを臨むため、座った時に背中が起こしやすいように、1階席に利用するローバックタイプよりも背が100mm高く設定しています。階段からの転落を防止する柵の役割も果たします。