地域の防災拠点としての役割も担う、常磐大学 新体育館建設の経緯、また多機能な設備を生かした現在の活用内容についてお話を伺いました。移動観覧席(ロールバックチェアースタンド)と大型電動間仕切「ディバイダー」が導入されており、電動で客席を設置し、空間を仕切ることで、目的に応じた様々な活用ができます。
体育の授業や式典などに使用する体育館や講堂は、学校にとっては欠かせない空間です。しかしどちらも大人数を収容するための広いスペースが必要な割には、教室等に比較すると利用頻度が低い場所でもあります。こうしたことから一つの広い空間を多目的に活用し、体育館と講堂の機能を両立できる施設を備える学校が増えてきました。
2017年3月に完成した常磐大学・常磐短期大学の体育館は、移動観覧席と大型電動間仕切「ディバイダー」を導入しました。電動で客席を設置し、空間を仕切ることで、目的に応じた様々な活用ができます。さらに、震度7クラスの揺れにも耐えうる耐震構造で、災害時の対策にも配慮されています。水戸市と学校法人常磐大学は、体育館の竣工を機に「災害時における応急活動の協力及び敷地・施設の使用に関する覚書」を交わしており、大火災発生時に一時避難者を受け入れる広域避難場所として「見和グラウンド」、その他災害時の緊急避難場所として「常磐大学・常磐短期大学体育館」が指定されました。
今回は、地域の防災拠点としての役割も担う新体育館建設の経緯、また多機能な設備を生かした現在の活用内容についてお話を伺いました。
学校法人 常磐大学 施設設備課 統括根本 知計氏
学校法人 常磐大学 施設設備課 統括補佐佐川 正志氏
新設した、常磐大学・常磐短期大学 体育館
※新耐震基準:1978年に発生した宮城県沖地震をふまえて、耐震基準を大きく見直した改正建築法が1981年(昭和56年)に導入された。
座席は2階の固定席と移動観覧席を合わせて約600席
ディバイダーの下半分はスクリーン機能を考慮して落ち着いた色のソリッド素材、上半分は開放感のあるメッシュ素材で構成
ディバイダーへの投映は2階席真ん中の通路に台を置き、そこにプロジェクターを乗せて行う
最新のトレーニングマシンを備えたトレーニング室(1階)
ダンスレッスンもできるように練習用の鏡とバーを備えた多目的室(2階)
取材日:2019年6月
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