女性の活躍推進を担い、応援する女子大学伝統ある講堂・ホールのリニューアルで新たな歴史のスタートを

2018.05.23
事例特集

女性の雇用を推進することを義務づけた「女性活躍推進法」の施行により、女性の高等教育を担う女子大学では、学生である女性たちが社会に出てからよりいっそう活躍できるよう、また女性教職員が能力をじゅうぶんに発揮し活躍できるよう、様々な行動指針を定め、整備を進めています。今回は、女子教育の推進を戦前から掲げ進めてきた、歴史ある女子教育学校のキャンパスにおいて、象徴的存在として佇む、講堂・ホールのリニューアル事例をご紹介します。

01鉄と布地の組み合わせから、木を使った温かみのある女性らしいイスへ

鎌倉女子大学 岩瀬キャンパス
松本講堂

1943年に「京浜女子家政理学専門学校」として横浜市に誕生した、鎌倉女子大学。式典や講演会などを行う場所として学生にとっても身近な松本講堂は、1968年に竣工した歴史あるホールです。誕生から時を経て、40年以上に渡り使われたコトブキシーティングのイスのリニューアルが決まりました。

当初のイスは、背の裏面に収納式テーブルが設置された、40年前のイスとしては珍しいタイプでした。講演会などでメモや筆記に欠かせないテーブルは、女子学生たちにも人気だった設備のひとつ。新しいイスにも、最新モデルのテーブルがイスの背裏に設置されました。

また、45センチメートルとコンパクトだった1席分の間口を3センチ広げたことによって、保護者や職員など、男性でも快適に利用できるイスになりました。

鉄と布地を組み合わせた以前のイスから、温かみがあり女性らしい木製のイスへとリニューアルを果たした、松本講堂。イスの張地の色は、以前のイスでも使われていた赤色を引き継ぎ、イメージも踏襲。伝統を継承しつつ快適性と機能性が向上した施設に生まれ変わりました。

02かつてのイメージを守りつつ、女学院のシンボルマークを想起するイス

福岡女学院
ギール記念講堂(チャペル)

学校法人福岡女学院は、1885年に米国のメソジスト監督教会から派遣されたジェニー・ギール女史によって創立されました。平日の午前中、学生が参加するチャペル礼拝が行われているホールが、ギール記念講堂です。女学院の卒業生により世界最高峰と評されるピアノ「スタインウェイ」が寄贈された2016年、客席のリニューアルも行われることになりました。

講堂の客席に並んでいたのは、約56年間に渡って使用された、コトブキシーティング製の木質のイスでした。リニューアルにあたっては、天然木を基調とした家具調のデザインと、新たに学院のシンボルマークである「ぶどう」を連想できる織とカラーを、新たなイスへ採用。女子学生たちが丁寧に使ってきた、以前のイスの印象も引き継ぎました。

座席の幅は既存より6センチメートル、前後の間隔は既存より9センチメートル拡張。これによって、座り心地の改善と、出入りのしやすさを向上しました。また、車イスの人でも客席のイスに移乗がしやすいよう、肘掛が跳ね上がるバリアフリー対応席も導入されました。これまでのイスのイメージを守りながら、女性のみならず誰もが使いやすいバリアフリーな講堂へと生まれ変わりました。

03女子大学らしい華やかさとエレガントさを兼ね備えた赤で客席を彩る

聖心女子大学 マリアンホール
講堂

2016年に創基100周年を迎えた、聖心女子大学。マリアンホールと名付けられた、キャンパスの中央に位置する講堂は1954年に竣工以来、大学のシンボル施設として女子学生たちの課外活動や授業、式典などの利用に留まらず、国内外から講演者が訪れるなど、様々な人々の交流の場として利用されてきました。

2017年に、耐震補強を目的とした全面改修工事が決定。改修当初は、固定式のイスの導入も検討されていましたが、クッションのボリューム感と座った際の安定感が評価され、スタッキングチェアのFC-310シリーズが採用となりました。

イスの張地は赤を基調とし、素材の異なる2色で張り分けを行いました。講堂全体に深みが出るよう、ホール前方には鮮明な赤色を、後方には濃い赤色を使用しています。また、床にはロビーやホールの床デザインを踏襲したパーケットフローリングとボーダーが施され、イスをより美しく整列させるためのガイドとなっています。

女子大学らしい華やかでエレガントな空間演出を、新しいスタッキングチェアが可能にしています。

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

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