メリハリのある色づかいでシンプルなイスにも存在感をグラデーションやランダム配置で学びの空間をデザイン

2017.11.01
事例特集

教室や講堂、体育館など、さまざまな居室が一堂に会する学校施設。授業や式典のために必要な家具は、誰もが使いやすいシンプルなデザインが人気である一方、色づかいによっては空間全体が単調になってしまうこともあります。今回は、イスの張地をグラデーションカラーにしたり、異なる色をランダムに配置した事例をご紹介します。張地の組み合わせだけで、学びの空間を新たに創造できます。

01グラデーション配色で、華やかさを創出

宇都宮文星女子高等学校総合体育館

宇都宮文星女子高等学校 総合体育館
宇都宮文星女子高等学校 総合体育館
宇都宮文星女子高等学校 総合体育館

2009年に創立80周年記念事業の一環として、総合体育館が新設されました。演奏会や演劇鑑賞にも適した音響設備が備えられており、体育の授業はもちろんクラブ活動や学校行事での利用のほか、文化的なイベント会場としてなど地域の人々との交流の場としても利用されています。

客席として採用いただいたのは、催事に合わせて素早く客席を変換することができる、光学誘導前方移動式の移動観覧席(ロールバックチェアースタンド)です。入学式など多くの客席を必要とする場合は、移動観覧席とスタッキングチェアを併用すれば、1,800席を確保。席数を減らしたい時は、スタッキングチェアを並べていたステージ近くのスペースまで移動観覧席を移動させて設置することも可能です。

平土間の体育館として利用することも多いこのスペースが、移動観覧席を展開すると華やかになる秘密は、観覧席のイスの3色グラデーション。女子校らしさとトレンドも加味したこの色は、シンプルなイスに豊かな表情を持たせ、空間に彩りを加えました。

 

02歴史の中で積み重ねられた風景を継承・再構築

早稲田大学高等学院 73号館
講堂

早稲田大学高等学院 73号館 講堂
早稲田大学高等学院 73号館 講堂
早稲田大学高等学院 73号館 講堂

2014年3月10日、早稲田大学高等学院 講堂棟の竣工式が行われました。

建築の設計は早稲田大学OBが中心となり、伝統と未来、この学院の有るべき姿を思い描きながら設計を行ってきたに違いありません。校舎が建て替わっても、人が入れ替わっても、「心のふるさと」として引き継がれてきた、「早稲田の原風景」ともいえる記憶と感覚。長い歴史の中で積み重ねられた風景が、新たな形で継承・再構築されたのです。

全面コンクリート仕上げの内壁は、音響などのシミュレーション結果をもとに傾斜面とし、面ごとに異なる施しをしています。講堂全体が、質実剛健の校風にふさわしい、モノトーン調です。

イスの張地は2色で張り分けを行いました。感覚的にランダムな配色にされたわけではなく、できる限り恣意的な要素を排除し、理論的に色決めが行われました。天井や壁と呼応するデザインです。

 

03ランダム配置で、学校のテーマを表現

富山大学 医薬イノベーションセンター
日医工オーディトリアム

富山大学 医薬イノベーションセンター 日医工オーディトリアム
富山大学 医薬イノベーションセンター 日医工オーディトリアム
富山大学 医薬イノベーションセンター 日医工オーディトリアム

2014年12月、富山大学杉谷キャンパスに竣工した、新たな研究棟「医薬イノベーションセンター」。医学部と薬学部の研究スペースを拡充するための施設です。

施設1階の講義室「日医工オーディトリアム」に納入した机・イスは、STSシリーズを納入しました。外部の講演会やシンポジウムでの使用も予定して選定された製品です。聴講中にメモを取ることができる机イスの導入が必須条件でしたが、講義室で一般的に使われている固定机イスは学生向けのイメージが強く、講堂や大講義室で人気の高い劇場・ホールイスの背テーブルでは筆記スペースが少々物足りない印象。そこで、今回のSTSシリーズに白羽の矢が立ったのです。

入ってすぐに目を引くのは、ブルーを基調としてランダムに彩られたイスです。1番多く使用されたビビットなブルーは、富山大学総合カラーを表しており、その中に薬学部、医学部それぞれのテーマカラーを配置しています。明るい木の色と淡いグレーの内装にマッチして、爽やかで清潔感のある印象をもたらします。

 

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

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