コンサートホールの客席へ華やぎと彩りを演出するテキスタイル

2017.02.25
事例特集

クラシック音楽の公演を中心に、オペラやバレエ、時には海外からの招聘公演も行うコンサートホール。その客席に足を踏み入れた瞬間、非日常空間へ来たことを実感して気分が高揚する、そんな瞬間はありませんか? その秘密を担うのは、ホールのインテリア。美しい音色を楽しみに来場する観客の心に、視覚的に訴えかけているのです。天井や壁面の意匠はもちろん、イメージづくりに欠かすことができないのが、客席のイスです。コトブキシーティングでは、イスの形状のご提案はもちろん、空間を彩る張地のデザイン、カラー、張り分けについてもお手伝いしています。

01「世界一美しい響き」を紅く彩る客席

サントリーホール
大ホール

サントリーホール 大ホール
サントリーホール 大ホール
サントリーホール 大ホール
サントリーホール 大ホール
サントリーホール 大ホール
サントリーホールは「世界一美しい響き」を基本コンセプトとして1986年に誕生。2006年に迎えた開館20周年を機に、改修工事が行われました。「素晴らしい音響とホールの雰囲気はそのままに」をコンセプトに客席もリニューアル。
撮影協力:サントリーホール、NHK交響楽団
大ホールは、日本では初めてのヴィンヤード(ぶどう畑)形式。イスの張地もこのヴィンヤード形式にちなんで、ワインレッドカラーのぶどう柄です。
撮影協力:サントリーホール、NHK交響楽団
イスには建設時と同じ素材を使用し、張地・クッションの張替え、木部の補修を実施。オープン当時の残響時間と同じレベルを保つため、細心の注意が払われました。
撮影協力:サントリーホール、NHK交響楽団
2006年改修時には、ユニバーサル対応のイスも客席へ導入。車イス利用者も客席のイスに座って音楽が鑑賞できるよう、イスのデザインは同じまま、車イスからの乗り移りがしやすいイスを検討し製造。
撮影協力:サントリーホール、NHK交響楽団
肘掛が外側に回転するイスや、段差がある場所でイスが昇降・回転するバリアフリー対応の席を設けました。
撮影協力:サントリーホール、NHK交響楽団

02多色配置で花畑のイメージを表現

東京文化会館
大ホール

東京文化会館 大ホール
東京文化会館 大ホール
東京文化会館 大ホール
東京文化会館 大ホール
東京文化会館 大ホール
1961年、東京都の開都500年事業として誕生した東京文化会館。2014年12月、施設・設備改修工事による約半年間休館を経て、リニューアルオープンしました。
客席は赤色の張地を主として、黄色・緑色・紫色を散りばめました。これは、花畑をイメージして配色しています。大ホール客席は1階〜5階で構成され、最上階席まで色とりどりです。
散らばった色は一色で統一された状態と比較して、リハーサルなど観客がいないときでも、まるで客席に人が座っているかのように感じさせるという工夫も隠されています。
大ホール左右の壁面に設置されたレリーフは、彫刻家・向井良吉氏によって製作されました。音響拡散体としての役割も果たすこのレリーフは、会館時より圧倒的な存在感を放っています。
建築家・前川國男氏(1905-1986)による代表的なモダニズム建築としても知られ、「音楽・舞台芸術の殿堂」として、国内外問わず多くの人々に親しまれています。

03客席で地域イメージを色濃く魅せる

渋谷区文化総合センター大和田
さくらホール

渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
さくらホールのある渋谷区文化総合センター大和田は、旧大和田小学校跡地に建設され、2010年11月にオープンしました。
主に音楽ホールとして使用されているさくらホールは、シューボックス型の729席。2層の吹き抜けになったバルコニー形式の客席が特徴的です。
イスの張地の素材として、モケットを使用。旧小学校にあった桜や、施設近くの「桜通り」にちなんで、桜をイメージして、花びらを散らしたようなテキスタイルにデザインしました。
可動プロセニアムや組み立て式のオーケストラピット、オペラカーテンなども備え、演劇、バレエ、オペラなどさまざまな催しが行えます。
区が運営・管理する複合施設としては最大規模で、オープン以来、渋谷区の新たな名所として賑わっています。

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

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