地域性を豊かにデザインした中・小ホール

2016.12.21
事例特集

コンサートや演劇、講演会、発表会などが行われ、地域の賑わいの創出に貢献している地元の中・小ホール。1月には成人式会場となるホールもあります。各ホールには、町の特色やその地域ならではの自然や文化が盛り込まれていることをご存じでしょうか? コトブキシーティングでは、町の魅力や施設で開催されるイベントに合わせた、特徴のあるイスや張地のデザインをご提案しています。

01日本海の恵みを受けた、美しい町の複合施設

美浜町生涯学習センター「なびあす」
文化ホール

美浜町生涯学習センター「なびあす」
美浜町生涯学習センター「なびあす」
美浜町生涯学習センター「なびあす」
美浜町生涯学習センター「なびあす」

福井県の南西部に位置する美浜町は、その名のとおり、美しい海岸を持つ自然豊かな町です。

美浜町生涯学習センター 「なびあす」は、中央公民館の老朽化や町立図書館のスペース不足解消を目的に2012年11月にオープンしました。施設内には、コミュニティールームや音楽スタジオ、料理、陶芸や絵画などを楽しめる「趣味の部屋」などを備えています。西側に文化ホールやコミュニティルーム、東側に図書館や音楽スタジオを配置することで、遮音性を確立。文化ホール・公民館・図書館が一体化した文化複合施設となりました。

ホールは、舞台と客席の境界線がはっきりと分かれた、プロセニアム形式。ホールを華やかに印象づける壁面や天井は、海に面した美浜町をあらわす魚の群れや鱗をイメージした木製のパネルで覆われ、豊富な反射音が生まれる仕組みになっています。壁面からひと続きのデザインとなる音響反射板を使えば本格的なコンサートホールとして、最新の音響・照明機器を用いれば劇場として利用することが可能です。席数は489席。客席のイスは単色のように見えますが、目を凝らしてみると、壁の模様と同じデザインが施されています。

 

02縁ある桜を配し、地域に親しまれる施設に

戸塚区民文化センター「さくらプラザ」
ホール

戸塚区民文化センター「さくらプラザ」
戸塚区民文化センター「さくらプラザ」
戸塚区民文化センター「さくらプラザ」
戸塚区民文化センター「さくらプラザ」

神奈川県横浜市の、戸塚区民文化センター「さくらプラザ」。駅前の再開発に伴い2013年に竣工した、戸塚総合庁舎の3・4階に位置します。210通に及ぶ区民公募の中で、最も得票数を得た「さくらプラザ」の愛称は、柏尾川沿いの桜並木など、桜に縁の深い戸塚区民に親しまれる施設であるようにと願ってつけられました。

ホールは1階席が363席、2階席は90席。内装やイスを木調で統一することで、空間全体にあたたかみが生まれています。イスの背もたれや肘掛けにも天然木を使用。背板の小口には面取りのようなデザインが施されました。素材の柔らかさを表現した、滑らかなラインが特徴的です。

客席内で強く印象に残るのは、足元を流れる川に桜の花びらが舞っていると錯覚するような美しい絨毯。「さくらプラザ」という施設の名前同様に、イスの張地に地域の特色を表現しました。柏尾川と桜、黄色い花をつける川辺のミズキンバイ…。ミズキンバイは絶滅危惧種で、都市河川では柏尾川だけに生育してる希少な植物。桜とならび戸塚の地にとって縁の深い自然を取り入れることで、地域の方に親しみを持っていただけるホールづくりを目指しました。

 

03伝統芸能「ねぶた」の歴史や魅力を綴る場所

青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
イベントホール

青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」

青森の伝統芸能である「ねぶた」の歴史や魅力を紹介する施設として、2011年にオープン。JR青森駅からも近く、館内ではねぶた祭りに出陣した大型ねぶたを見ることができるなど、観光地としても賑わっています。施設には展示スペースのほかにも交流学習室やイベントホールなどがあり、市民が日常的に活用できるよう、設計されています。

施設の外観や内装で印象的な色は、ねぶたを象徴する赤。固定席180席のイベントホールでも、暗闇の中で美しく力強く浮かび上がるねぶたのように、真っ赤なイスの張地が存在感を放っています。客席のイスは、フラットなベンチタイプ。イベントに応じて、ゆったり広々と席を使ったり、ご家族でお子さまと一緒に座ったりと、自由に腰掛けていただける客席を目指しました。

公演、講座、ミニコンサート、学芸会などのイベントのほかに、日ごろから市民活動の場として積極的に利用されています。お囃子の団体練習も行われており、伝統芸能の後継者育成の場としての役割も果たしています。

 

04育まれる実りの色をイスに取り入れて

東広島芸術文化ホール「くらら」
小ホール

東広島芸術文化ホール「くらら」
東広島芸術文化ホール「くらら」
東広島芸術文化ホール「くらら」
東広島芸術文化ホール「くらら」

2016年4月にオープンした、東広島芸術文化ホール「くらら」。愛称の「くらら」は、ホールが日本酒の銘醸地として有名な酒都・西条にあることから。酒蔵の「くら」のイメージをベースに、酒蔵のまちで音楽を楽しむことや、伝統を守りつつ、新しい文化を楽しく広めるといった意味が込められています。

最大305席となる小ホールは、客席が可変する多目的ホール。階段状になった後方8列は、電動で展開・収納する移動観覧席。移動観覧席の前にスタッキングチェアを6列並べると、最大席数を確保できます。ステージを広く取りたい時は、スタッキングチェアの設営を3列に減らし、空いた3列分のスペースを電動昇降の床でステージエリアへと変化させることが可能です。スタッキングチェアと移動観覧席を全て収納すれば、平土間にも早変わり。壁と一続きのデザインが特徴的な音響反射板を備えており、演劇やダンス公演はもちろん、地域の音楽発表会などアットホームなコンサートにも利用しやすいホールです。

オリジナル製作したイスの張地は、東広島市のシンボルカラーである深い緑色をベースとしました。その緑の中に、西条柿、露地・ハウスビワ、りんごやぶどうなど、東広島で育まれる実りの色を取り入れています。

 

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

劇場・ホールイスサイト トップ張地のカスタマイズページ

一覧へ戻る