カリキュラムの変更に伴い、700人の生徒に一斉に授業をおこなえる場が必要になった電気通信大学。それだけの人数を収容できる大規模な講義室はなく、新築する時間もなかったことから、唯一、実施可能な施設であった講堂のリニューアルを検討することに。しかし、講堂のイスは劇場タイプで、筆記作業は不可能。さらに、新年度を目前に控え、イスを入れ替える時間さえもないことが課題でした。
そこで、既存のイスに収納式テーブル機能のみを設置するご提案をし、改修工事をスタートしました。
しかし、ここでも問題が発生。既存のイスの背は、鋼板製で曲面形状。背面に直接テーブルを固定する事ができず、また、肘当てにメモ台を付けることも構造的に不可能。さらなる検討の末、ご提案した解決策は「イス背面の両脇に支柱を立てて、テーブルを設置する」こと。既存イスの背面に独立したテーブルユニットを設置することで、筆記作業も可能なイスのある講堂に生まれ変わりました。
新年度からの授業に対応できたのはもちろん、多目的に使用できる場となったこと、また、テーブルの化粧板がイス、さらにはホール全体に、それまでとは違った印象を演出しています。