神奈川芸術劇場×ナゾ解きゲーム!!KAAT the ツアー 『消えた衣装をさがせ!2』

2014.06.12
レポート

KAAT神奈川芸術劇場は、2011年1月、横浜市のみなとみらい地区にオープンしました。今回取材したのは「劇場体験型ナゾ解きゲーム KAAT the ツアー 『消えた衣装をさがせ!2』」。参加者自らが劇場中に隠されたヒントを見つけ出して謎を解き、「何か」を探す劇場体験型ナゾ解きゲームです。

2011年1月、横浜市中区にオープンしたKAAT神奈川芸術劇場。
初代芸術監督は、宮本亜門氏。今年3月末で任期満了に伴って退任され、その後任として、白井晃氏がアーティスティック・スーパーバイザー(芸術参与)となりました。今秋には、就任後初のプロデュース公演「Lost Memory Theatre」も控えています。

「Lost Memory Theatre」は、白井氏にとって仕事上の大事なパートナーでもあり、敬愛して止まない音楽家でもあるという、三宅純氏の最新アルバムのタイトルです。
公演はこの楽曲からインスパイアされており、作品のイメージは「音楽・演劇・ダンスを織り交ぜながら描き出す失われた記憶の劇場」。
今年度のKAATでは、何か新しいことが始まりそう!
そんな期待感を抱きながら、足を運びました。


今回取材させていただいたのは、「劇場体験型ナゾ解きゲーム  KAAT the ツアー 『消えた衣装をさがせ!2』」!
この企画は、「もっと劇場という空間に親しんでもらいたい!」がコンセプト。劇場開館1周年を記念してスタートし、今回が4回目となります。参加者自らが劇場中に隠されたヒントを見つけ出して謎を解き、「何か」を探す劇場体験型ナゾ解きゲームです。

この日は、5月30日(金)〜6月1日(日) 行われる本番のプレ公演でした。KAAT神奈川芸術劇場は、大中小のスタジオやアトリエ、最大約1,200席のホールで構成されています。今回のイベントの会場は、建物の5階にあるホールです。
5階の劇場入口までは、自然光の入る高さ約30メートルの吹き抜けのアトリウムを軸に、スパイラル状に配置した4種類のエスカレーターで上がることになります。 エスカレーターに乗っていると、スタジオが見えたり、渓谷のがけ下を入っていくような空間があったり、5階のエントランスまでの道を楽しむことができる構造です。

なんだか、緊張感も高まります。というのも、私は、ナゾ解きどころか、テレビドラマを見ていても芝居を見ていても、次の展開というものを全く予想することができず、「これってどうなっちゃうの?」と人に聞いて回りたくなるタイプの人間なのです。エスカレーターに身を任せて階上へ進みながら、いったいどんなナゾがあるのだろう……とドキドキです。

ホールのホワイエに入ると、既に多くの参加者が到着していました。案内スタッフの指示に従って、客席内へと進みます。定員は120人と、客席数の10分の1程度を予定しているイベントとのことです。

劇場体験型ナゾ解きゲーム、そして『消えた衣装をさがせ!』というキーワードから、何をするゲームなのかは、予想できそうですね。劇場に入った時点から、このゲームはスタートしています。

KAATのホールでは、新作公演を上演中。ある日の本番前に、公演舞台裏を紹介するバックステージツアーを開催。そのバックステージツアーに集まったのが、私たち参加者です。楽しいバックステージツアーが始まるのかと思いきや、その最中に、大事な舞台衣裳が消えてしまうのです!唯一の手掛かりは、衣裳のかわりに、劇場中に残されたナゾ。開演までに衣裳を取り戻し、無事に幕を開けることはできるのでしょうか?

さあ、ナゾ解きスタート! 客席・ホワイエから舞台裏まで、劇場中を歩き回って、手がかりを探します。「立ち入り禁止」の張り紙がある箇所や、鍵のかかっているドアを無理に開けたりするのはNGなので注意。
劇場中を移動するので、階段を上がったり下りたり、意外と体力を使います。ナゾを解くために、動きやすい服装、女性の方はヒールのない靴でご参加ください。

ただ観劇に来ただけでは、決してじっくり見ない場所に注意を払うので、新しい発見もあります。

例えば、床を見ていてみつけたものが、こちら。↓

劇場ホワイエ内にも、階段やエスカレーターの前にある、点字ブロックです。歩道や駅には当たり前のようにありますが、劇場内にあるのは、なんだか珍しい気がしました。場内には車椅子対応トイレもあり、ホワイエも広々。バリアフリーの意識を持った劇場づくりが行われていることが伺えます。

……時間が経つにつれ、悠長に感心などしていられなくなってきました。
開演時間は刻々と迫っていますが、消えた衣裳は一体どこにあるのでしょう?

参加者の方々の行動が、より機敏に、より素早くなってきます。
誰もが時間を惜しんで、場内を行ったり来たり。私はひとり、右往左往。ナゾを解いて次のステージへ進まなければ、当然、取材の内容も進みません……。「わかった!」と先へ急ぐ嬉しそうな姿を見送りながら、うんうん唸って頭をひねりました。

「もっと時間が欲しい!」という声も聞こえる中、開演時間を迎えてゲームは終了。
私の周りにも行き詰っている方が多かったので、衣裳を見つけた人なんているの? と思いましたが、ちゃんといらっしゃいました! 素晴らしいです!

リアル脱出ゲームを始め、体験型の推理イベントは様々な会場で行われていますが、劇場を舞台にしたのは、この「KAAT the ツアー」が初めて。
普段は舞台鑑賞もしないし、劇場という空間はよく分からない……という方も、ご安心ください。劇場に関する何の知識がなくても、全く問題ありません! しかし、1度参加すれば、劇場の中身や、舞台上のスタッフがどのように動いているのかを、余すことなく体験することができますよ。

「劇場体験型ナゾ解きゲーム KAAT the ツアー 『消えた衣装をさがせ!2』」は、5月30日(金)〜6月1日(日)の計6回公演。チケット一般2500円、高校生以下は1000円で好評発売中です。
あなたのひらめき、センス、そして推理力、「KAAT the ツアー」で力試しをしてみませんか?

レポーター:広報企画部 M.N

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