熊本・大分地震の被災を経て、新たに誕生した由布市庄内公民館
2018年11月、大分県の庄内町大龍にて、由布市庄内公民館が移転オープンしました。町内の別地域にあった旧公民館は、2016年4月の熊本・大分地震で被災しホールの使用停止を余儀なくされたため、新公民館は町民待望の交流施設です。
新しい公民館が建てられた場所は、庄内総合運動公園の隣接地。公園内には神楽殿やグラウンド、野球場もあり、町民にとって馴染みの深いロケーションです。建物は緑に囲まれた平屋建てで、エントランスを入り正面に進むと、団体交流スペースやキッズコーナーのある「にぎわいロビー」が広がっています。ほかにも、約250席のホール、図書館、会議室、調理実習室などが備わっており、地域住民にとって身近な学習・地域交流の拠点として、大きな期待が寄せられています。
2種類のロールバックチェアースタンドを導入したホール
ホールのステージ奥の壁は窓になっており、開けるとステージと同じ高さでつくられた屋外ステージがあり、その先に緑の芝が広がる心地の良い景色が広がります。ホールはイベントに応じて客席をつくったり平土間にしたりできる多目的利用を想定して計画されました。客席として導入したのは、コトブキシーティングのロールバックチェアースタンド(移動観覧席)です。女性スタッフが多いため、力を掛けずに簡単に展開・収納できる点が、製品選定のポイントとなりました。
移動観覧席は2種類、イスを倒して舞台床に納める平床収納式と、ホール後方の建築壁と同一面に納まる壁面収納式です。どちらも、移動観覧席本体の展開・収納は手元のリモートスイッチで行うため、ボタン一つで完了します。
移動観覧席に搭載したイスの転倒・起立動作は、専用の操作ハンドルを使って2~3席ずつ手動で操作します。ダンバーが利いているため、女性でも軽い力で取り扱えます。ホールのレイアウトは、全ての移動観覧席を展開、壁面収納式の移動観覧席のみ展開、全て収納した平土間の3パターンです。
平床収納式の移動観覧席は、客席に車イス席を設けるため、最前列部にあたる左右の端を切り欠きました。壁面収納式の移動観覧席は、壁面への収納時に誤って隙間に物が入ったりしないよう、目隠しでカーテンを取り付けています。どちらも、由布市庄内公民館を利用する町民のことを考えた、心遣いです。
由布市庄内町の賑わいの創出に貢献していくことでしょう。