女川町生涯学習センター
ホール

2019.09.19
多目的ホール(可動席)

施設説明

被災した女川町に、町民待望の庁舎一体型の生涯学習センターが誕生

東日本大震災時、津波の被害を受けた宮城県女川町の町役場は全壊し、以来、仮設庁舎で業務が行われてきました。町民待望の新庁舎がオープンしたのは、震災から8年が経過した2018年10月。庁舎と同じように被害を受けた生涯学習センター・保健センター・子育て支援センターが一体となった、複合型の庁舎です。

緩やかな斜面に建てられた新庁舎は、住宅が並ぶ高台側と商業施設がある低地側それぞれに入口を設けています。高台側から入って左手にあるのが役場、右手に並ぶのが生涯学習センターのホールと研修室です。ホールの入り口まで誘う白い壁には、女川の海をイメージした波模様がデザインされました。

多目的に活用できるホールの客席のメインは、女川地域初導入の移動観覧席

412席のホールは、講演やコンサートなど多目的に利用できる、多機能イベントホールです。町民が気軽に利用しやすい規模を目指し、以前よりも一回りコンパクトなホール空間を創り上げました。客席を構成するのは移動観覧席、そしてスタッキングチェア。イベントの内容に応じて必要なイスを組み合わせることによって、席数を調整することができます。

移動観覧席は、客席を利用しない時には壁内に設けられた収納庫に収めることができる、壁面収納式タイプです。周辺地域のホールには導入されていた移動観覧席ですが、女川地域では、初の採用となりました。両側の壁いっぱいまで席が広がっているため、通常は移動観覧席の端に備える手摺を設ける必要がなく、ホールのインテリアと融合したかのような、収納・展開が可能な席には見えない落ち着いた装いが特徴です。電動式のため、壁から客席を展開する時も、操作はリモコン一つで完了。スタッフの手を煩わせることなく簡単に客席を設営できる点が、好評価を得ています。

移動観覧席に搭載したイスは、コトブキシーティングのスタンダードシリーズ。広めの背座が、身体全体をしっかりとサポートします。芯材を用いずウレタンフォームのみで構成した背もたれの上部は、着座時の背中にフィットします。座には、体圧が均等にかかるよう計算されたバネが内蔵されており、長時間の着座でも快適に座ることができます。座の内部にはダンパーが標準装備されているため、式典や講演の途中で大勢が一斉に立ち上がった時も、イスの座はゆっくりと跳ね上がり騒音や振動が発生することがなく、静音環境を保つことができます。

イスの張地は、3色のブルー。ブロックの列ごとにランダムに張り分け、女川の海の揺らぎを連想させる客席を創り上げました。

有名人のコンサートやライブから地元住民の発表会まで、さまざまな行事やイベントが行われており、高い稼働率で注目を集めています。

居室データ

所在地
986-2261 宮城県牡鹿郡女川町女川浜字女川178番地KK-8街区1画地 地図
施主
女川町
オープン
2018年10月
席数
280
※移動観覧席の席数
基本設計
株式会社梓設計
実施設計
株式会社竹中工務店
関連リンク
  • 女川町 webサイト