熊谷ラグビー場(リニューアル)

2019.01.29
スポーツ・エンタテインメント施設スタジアム・競技場(屋外)

施設説明

ラグビーワールドカップ2019に向けてリニューアルを果たした熊谷ラグビー場

熊谷ラグビー場は、1991年、埼玉県熊谷市にある熊谷スポーツ文化公園内に誕生しました。春の全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会が開かれるようになった2000年以降、大阪府の「花園ラグビー場」と並んで「西の花園 東の熊谷」と謳われてきました。今や東日本を代表する、ラグビーの聖地です。

秋に控えたラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を目前に、国際大会規格に適合したスタジアムに進化させるべく、2016年に全面的な改修工事が始まりました。コンセプトは、「臨場感あふれるスタジアム」。観客席のリニューアルに加えて、811インチの大型映像装置と、夜間での試合を可能にするLED照明灯が新たに設置され、世界が注目する大会へ向けて、一層の盛り上がりを見せています。

2018年10月には、こけら落としとして、トップリーグのパナソニックワイルドナイツ対キヤノンイーグルスの試合も行われました。

スタンドの全面改修で1人1席の快適な観戦環境を実現

熊谷ラグビー場には、「ラグビータウン熊谷」の名にふさわしく、A・B・Cと3面のラグビーグラウンドがあり、先述の全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会やトップリーグのほか、大学リーグなどの大会が開催されています。改修が行われたAグラウンドは、観客収容人数約24,000人を誇る、全国トップレベルのラグビー専用スタジアムです。

今回の改修工事では、既存のスタンドをバックスタンドとして生かしながら、対面に新しいメインスタンドを作りました。このメインスタンドは、勾配を最大35度まで上げることにより、ピッチが眼前に迫る臨場感を実現しています。また、ピッチからスタンドまでの最短距離は、メインスタンドが9メートル、バックスタンドでは8メートルと、改修前に比べて最大6メートルも近づきました。さらに、フィールド面は約1メートル嵩上げられ、これらの改修によって、タッチラインと観覧席が近づき、選手同士のぶつかり合う音や息遣いまでもが感じられる、より一体感が堪能できる観戦環境を作り上げています。

改修前のバックスタンドは芝生席で、メインスタンドの座席はベンチタイプが大半を占めていました。この改修により、約24,000席の個席タイプのイスを設置したため、1人1席に腰かけて観戦することができます。列番や席番の表示は大きく見やすく設定し、車イスのスペースも充実させることで、誰もが楽しめるユニバーサルなスタジアムを目指しました。

全席でデザインを統一したスタジアムシート

イスは、背と座が分かれたツーピースタイプのスタジアムシート BLM-8000シリーズが採用されました。大きな背もたれと座面が、体格の大小を問わず観戦者をしっかりと受け止めます。背は、観戦時にピッチの端から端まで体の向きを変えながら見渡せるよう、やや起立させたラウンド形状を綿密な設計により生み出しています。座の収納時の奥行は、250ミリメートルと極限までコンパクトになるよう追求し、座席前後の通路の通りやすさも実現しました。また、1本のレールの上に座席を設置するレールビーム方式のため、1席あたりの間口の調整が簡単に行える点も特長のひとつです。

イスのデザインは一般席・記者席・VIP席・ビューボックス席の全ての席で統一していますが、VIP席とビューボックス席には、背と座にクッションを設け、肘掛けも設置。座り心地を高めています。

観覧席は、スタンドの下部から上部に向かって4色のグラデーションで爽やかに彩りました。紺色から青色、水色、そして白色へと、空に近づくにつれて淡く薄く色づく観覧席は、40度を超える真夏の熊谷の熱気を払いのけるかのような清々しさ。

バックスタンドに浮かび上がる「SAITAMA KUMAGAYA」の文字は、「ラグビーの聖地」たる堂々とした風格を刻んでいます。

居室データ

所在地
360-0004 埼玉県熊谷市上川上810 地図
施主
埼玉県
設計
株式会社松田平田設計
リニューアル
2018年8月
席数
23,706
関連リンク
  • 熊谷スポーツ文化公園 webサイト