九州大学 伊都キャンパス 農学系総合研究棟(ウエスト5号館)
大講義室

2019.01.07
学校教室

施設説明

伊都キャンパス ウエストゾーンの主要施設、ウエスト5号館

13年間に及ぶキャンパス移転整備を終えた、九州大学の伊都キャンパス。広大なキャンパスは、センターゾーン・イーストゾーン・ウエストゾーンから構成されており、他のキャパンスから移転してきた様々な学部や機能が集約されています。

ウエストゾーン農学系地区の中核を成すのは、総合研究棟のウエスト5号館です。ウエストゾーンにおける主要施設であり、大講義室、オフィスゾーン、ラボゾーン、食堂、リフレッシュスペース等を兼ね備えています。この校舎の完成によって、センターゾーンからウエストゾーンに至るアカデミックゾーンが直線状に繋がり、関係部局が近接しました。部局間の連携を強化し、更なる教育研究発展に寄与すると期待されています。

移動式と固定式の机イスを組み合わせて、講義から会議・学会まで多用途に対応

ウエスト5号館の東側メインエントランスから入って正面の階段上ると、他とは少し装いの異なる大講義室があります。机とイスは、前10列がキャスター付の移動式、後ろ8列が固定式。学部生や院生の大人数講義だけでなく、会議や学会など多用途で使えることを目指して、製品選定が行われました。移動式の机イスをスタック収納すれば前10列分のスペースが平場に変わるため、予め設けられた教壇スペースに捉われない講義や、固定式の席の近くに教壇を置いて少人数の授業を展開することができます。

他の講義室とは一線を画した、ハイグレードな机イス

机とイスは、移動式も固定式も講義室向けに開発を行った製品です。

移動式のイスは、三次元カーブの背もたれと座が着席する学生たちの身体を支えるため、長時間でも快適に座れる仕様。座を跳ね上げれば、水平スタッキング収納が可能です。机も天板を畳んで水平スタッキングすることができ、それぞれのスタック間隔は150ミリメートル、140ミリメートルとコンパクトになるため、壁際に寄せるだけで広いスペースを確保することができます。いずれもキャスターが付いているため、片付けるのも簡単です。イスの背もたれには成形合板が、机の天板には木目調の化粧板が使われているため、木をたっぷり使った固定式の机イスとも釣り合いが取れています。

固定式のイスは、劇場やホールに並ぶイスと同等のボリュームあるクッションを備えています。座を構成するウレタンフォームの中には体圧を均等に分散させるバネが入っており、ゆったりとした座り心地を得られます。

劇場イスと異なるのは、背もたれの角度です。劇場やホールでは背もたれに体重を預け寄りかかって座りますが、講義室では姿勢を正して講義を聞いたり、前傾になってメモを取ったりパソコン操作をしたりといった作業が発生します。これらの「聞く」「書く」に対応できるよう、背もたれの角度を垂直に近づけて自然と背筋が伸びる席を創り上げました。また、座には、膝裏に当たる部分を薄くした、横から見た時に三角形の形を描く「スペーシア」を導入。足元の空間が広く膝を曲げやすいため、筆記時の安定した姿勢を保持できるほか、立ち座りもスムーズに行えます。

イスの背もたれは後ろの席の机と一体化しており、限りある講義室スペースを効率的に使っています。机の天板よりもイスの背もたれが高いため、ペンが前の席に転がり落ちてしまうこともありません。最前列は幕板を長めに設定し、着席者の脚や膝が教壇側に露出する心配を減らしました。

多様な講義や講演に利用する大講義室。それぞれの製品の特徴を生かして、更なる利用の幅の広がりが期待されます。

居室データ

所在地
819-0395 福岡県福岡市西区元岡744 地図
施主
国立大学法人九州大学
設計
九州大学施設部+株式会社石本建築事務所
竣工
2018年1月
席数
302
関連リンク
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