多様な活動・交流を行う、人文社会科学系総合研究棟(イースト1号館、2号館)
九州大学は、全学教育と専攻教育・大学院教育のスムーズな連携や円滑な共同研究の実施等を目指し、2005年から2018年9月末の長きにわたってキャンパスの移転を進めてきました。九州大学伊都キャンパスの、新たな歴史がスタートしています。
2018年2月に竣工した人文社会科学系総合研究棟(イースト1号館、2号館)には、他のキャンパスから移転した6研究院6学府5学部が入っています。この校舎は、伊都キャンパスのイーストゾーンにおける主要施設であり、大中小さまざまな講義室で構成されています。低層階には、吹き抜け空間「インナーモール」が設けられ、大階段を利用したプレゼンテーションやリフレッシュの場として多様な交流を生み出すことが期待されています。
双方向のコミュニケーションがとりやすい円形配置の講義室
大講義室や演習室などに並んで設けられた、国際コースの大学院の授業などで使われる50席と70席の講義室。計画当初より、教員と学生の双方向コミュニケーションが活発になるような授業展開が想定されていました。そこで採用されたのが、教壇を囲むように机とイスを階段状に円形配置する形式です。
一般的な講義室は床がフラットで、教壇に対して机イスを平行に配置します。この場合、前の人の頭で教員の顔が隠れやすく、また講義室の端の席に座った学生は教員と正対するために体を左右に向けたり顔を捻ったりしなければなりません。
階段状の教室は、教員の表情が見やすく、さらに円形配置にすれば、どの席に座っても自然な姿勢で講義に参加することができます。
学生から教員がしっかり見えるということは、教員も学生ひとりひとりをしっかり見ることができるということです。学生の表情を見て関心の有無や理解度を確認しながら進められるため、より内容の濃い講義が展開できます。そして、学生同士の中でコミュニケーションが取りやすいのも、この配置だからこそ。教員と学生、そして学生同士のコミュニケーションによって、活気あふれる講義が繰り広げられます。
机イスは、他の講義室でも導入された固定式タイプの製品です。列ごとに一体となった机は、筆記やパソコン操作もしやすい安定感。1席ずつ独立したイスは、左右前後に座った人が姿勢を変える時や筆記時の振動が伝わることを防ぐため、講義に集中できます。背と座にはパッドをつけ、長時間の着座姿勢をサポートしています。