滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
大ホール

2018.11.27
劇場・コンサートホール

施設説明

豊かな音色を伝え、人々に感動と歓喜をもたらすびわ湖ホールの大ホール

滋賀県にある琵琶湖は、県の約6 分の1を占める大きな湖です。日本で最大の面積を持ち、県境の山々に囲まれ、自然に降り注ぐ雨は、湖に集まります。その水は豊かな水源となり、たくさんの生き物や人々の生活を支えています。

琵琶湖に面した、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、1998 年9 月にオープンしました。1,848席の大ホールは、日本でも有数の歌劇場として全国の人々に知られています。オープン以来多くの観客を感動と歓喜へ導いてきました。

演目が際立つ演出を可能にする大ホール

大ホールは、主舞台と同じスペースの舞台を奥と左右にも有する「 4面舞台」のプロセニアム劇場です。それぞれのスペースに大掛かりな舞台装置を置き、次の場面転換に備えることができるため、本格的なオペラ公演にも対応できます。

一方で大型の演目を上演しない時には、4 面に展開されてた舞台を収納し、走行式音響反射板を用いて、シューボックス型のコンサートホールに姿を変えます。クラシックコンサートや、演奏会などの公演に適した空間です。

やわらかな風合いとしなやかな肌触りが特徴的な豪華なイス

大ホールの客席に並ぶのは、1,848 席のイス。音響に考慮し、びわ湖ホールのためにデザインされました。真っ直ぐに伸びた太い脚部と、分厚いながらも緩やかな曲線を描くように成形された背もたれのどっしりとした安定感は、オペラなどクラシックな大型演目を上演するにふさわしい、クラシカルな劇場空間を創り上げています。

美しい音の響きのために必要なのは、音を反響させること、そして適度に吸音することです。壁や天井などの内装に吸音材を利用するケースも多いですが、びわ湖ホールでは、客席でも程よく音を吸わせるため、通常のホールとは異なる設計をイスへ施しました。空席時、収納されたイスの座が背もたれに接することなく、間に僅かなスペースを空けているのです。綿密に計算されて設定したこのアキが、音を反響させすぎず、聞き取りやすくする役割を果たしています。

イスの張地は、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールのためだけに作られた特別なデザインです。張地には、県花であるシャクナゲの花をあしらいました。小ホールのイスにも、色違いの張地を採用しています。同じ柄を用いながらも、小ホールの張地は月明りをイメージしたエメラルドグリーン色が、大ホールの張地には夕焼けをイメージしたピンク色が使われています。このピンク色が、大ホール全体を明るく華やかな雰囲気に創り上げています。

張地の素材には、肌触りや観客の座り心地を考慮し、ウールヴィンテージを使用しました。通常のウール糸より細く、ソフトでしなやかな肌触りです。断熱材の効果も発揮するため、冬は熱伝導率が低く暖か、夏は空気中の湿気を吸収して、水分が蒸発するときに気化熱を奪い、涼しさを保つ省エネ効果も期待できます。耐久性にも優れており、撥水性、難燃性といった機能面でも高い評価を得ている張地です。

オープンから約20 年、滋賀の芸術の歴史が刻まれた大ホールです。

居室データ

所在地
520-0806 滋賀県大津市打出浜15-1 地図
施主
滋賀県
設計
株式会社佐藤総合計画
オープン
1998年9月
席数
1,848
関連リンク
  • 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール webサイト
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