日産スタジアム(横浜国際総合競技場)(リニューアル)

2018.10.18
スポーツ・エンタテインメント施設スタジアム・競技場(屋外)
特別席
ペアシート
来賓席
貴賓席
Before
特別席
ペアシート
来賓席
貴賓席
Before

施設説明

「ラグビーワールドカップ2019」「東京オリンピック」に向けての改修工事

1998年の開場から20年。2002年のワールドカップサッカー大会の決勝戦をはじめ、数々のスポーツやエンターテインメントの舞台として使われてきた日産スタジアムが今、変わりつつあります。「ラグビーワールドカップ2019」、そして「東京オリンピック」の会場としても使用されることが決まり、さまざまな改修が行われているのです。

天然芝と人工芝を組み合わせることで耐久性を高めるピッチの全面ハイブリッド化、LED照明への更新、エレベーターやトイレのリニューアルなどが行われる中、もっとも観客にとって身近な変化が、客席のイスの一新です。約7万席の客席全てが、3年間をかけて新しく変わる予定です。

短い工期で効率的に客席をリニューアル

客席の改修にあたり、コトブキシーティングに最も求められたことは、スタジアムを日々のイベントで使用しながらの更新を行うこと。イベントの合間を縫うように設定された限られた工期の中で、いかにイスの更新を進めるかが課題でした。

そこで採用されたのが、以前のイスの脚と連結パイプ部分をそのまま利用し、イス上台のみを新しくしていく手法です。アンカーボルトの新たな打ち込み作業などがないため、工期を従来の3分の1以下に短縮することができました。

「跳ね上げ式」の採用で、座り心地も機能性もアップ

スタジアムなど不特定多数の人が利用する施設では、火災や地震などが起きた時に安全に避難するため、通路の幅員について十分に考慮しなければなりません。従来のイスの前後ピッチを変えずに充分な通路を確保するためには、イス自体の前後奥行きをコンパクトにすることが求められます。

そこで今回採用したのが、背と座が分かれているツーピースタイプの座跳ね上げ式スタジアムシートです。離席時に自動で座が跳ね上がることによって、誰も座っていない時には座が収納され、座が固定されていた以前のイスよりもコンパクトになり、通路スペースが10センチほど広くなりました。15人掛の中央の席に座りたい時も、席へのアクセスがスムーズです。

さらに、座面の奥行も広くすることができました。座には僅かなくぼみを設け、着座時に程よくフィットし、長時間の観戦・鑑賞でも快適な座り心地を生み出しています。

客席バリエーションの追加で、より快適な観戦環境を実現

イス自体の更新に加え、新たな席を2種類追加しました。

来賓席の横につくられたのが、特別席です。一般席よりも一人分間口寸法を10センチ広く確保しています。席の間にはカップホルダー一体型の肘当てが設けられ、ゆったりと座ることができます。

プレス席の前につくられたのは、ペアシートです。テーブルを挟むように2席一組になっており、各席の肘当てにはこちらもカップホルダーを備えました。隣の席との距離があるため、恋人や友達、家族との会話を楽しみながら観戦・鑑賞することができます。

貴賓席・来賓席のイスは、クッション性の高い大ぶりのイスに更新。映画館のようにリラックスして身体を預けながらの観戦・鑑賞ができます。

2018年4月時点では、メインスタンドとバックスタンドの1階席のリニューアルが完了しました。

国際的なスポーツの祭典を控え、日産スタジアムは今まさに生まれ変わっている最中なのです。

インタビュー

居室データ

所在地
222-0036 神奈川県横浜市港北区小机町3300 地図
施主
横浜市環境創造局公園緑地部会場整備課
設計
株式会社東畑建築事務所
リニューアル
2018年3月
※日産スタジアム1層目スタンド改修工事
席数
72,327
新築
1997年10月
関連リンク
  • 日産スタジアム webサイト