なら100年会館
中ホール

2018.09.11
劇場・コンサートホール

施設説明

竣工から20年、地域の人々に根付いた「なら100年会館」

古代日本の中心地として栄えた古都、奈良県奈良市。1300年以上前からつづくその歴史は、京都より古く、街には遺跡・史跡・国宝や文化財などが溢れています。現在も、日本の歴史的建造物を観るために、国内のみならず海外からも多くの人々が訪れる有名な観光都市です。

なら100年会館は、奈良市制100年の記念として、また、これからの100年を展望する施設として、1999年2月にオープンしました。設計を手掛けたのは、磯崎新アトリエ代表の磯崎新氏。「奈良平城京の地を海原に見立て、悠久の歴史を進む文化の船」をイメージした、ドームの形と瓦をたくさん並べたような壁面が特徴的な建物です。

竣工から約20年が経った今も、市民の交流や集う場所として親しまれています。

「凍れる音楽」をテーマに掲げた、ガラス張りの美しい中ホール

「凍れる音楽」という空間テーマに設計された中ホールは、壁面が全面ガラス張りの、音響に優れたホールです。オペラやピアノ演奏会、クラッシックコンサートなどに多く使用されています。

このホールは、各公演のイメージに沿った空間を観客に提供できるように、演出の工夫が凝らされています。コンサートの時に、照明を色鮮やかに点灯させることで無色透明なガラスの壁を美しく彩り、観客を魅了する空間へと導いています。

ホールに隣り合うバーカウンタースペースは、興行主がカウンターテーブルのレイアウトを自由に設定できるスペースです。この場所は、コンサートの合間などにドリンクを楽しむことができます。バーカウンタースペースは、客席より高い位置にあり、中ホールを見渡せるようになっています。

また、中ホールを出てすぐのホワイエスペースは、広々とした解放的な空間です。天井と壁の間から自然光が差し込み、荘厳なムードを漂わせています。

音の反響を考慮しデザインされたイス

客席のイスは、大ホールで採用になったイスの意匠をベースに、2枚の木を使用し、高級感のある、イスに仕上げました。

美しい音色を奏でるホールにふさわしいデザインにするため、背裏にパッドをあしらい、座面や背にもふんだんに張地を使いました。張地を多く使用することによって、ホールに響きわたった音をイスが適度に吸音し、音色を聞き取りやすくしています。

また、この客席のイスには、空調システムが組み込まれています。イスの背上部の吹き出し口部分から、室内温度よりやや低い温度の風が吹きだし、気流となって効率良く人の居る空間の温度を調節します。風が吹き出る音も静かなため、よく響く中ホールでも公演中時の妨げにならず、快適な鑑賞空間を提供します。

2階席の客席は、イスを斜めにずらし正面のステージを見やすい配置となっています。

美しい音色が響き渡る中ホールは、人々の胸を揺さぶる機構演出と快適な機能を兼ね備えたホールとして、古の奈良で今日も優美な音を奏でています。

居室データ

所在地
630-8121 奈良県奈良市三条宮前町7-1 地図
施主
奈良市
設計
株式会社磯崎新アトリエ
オープン
1999年2月
席数
434
関連リンク
  • なら100年会館 webサイト